彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




〈オイ、瑞希に触るな!俺への当てつけか!?〉

「まさか!欲情しないように、お腹を隠すだけだよ~!」




田渕にそう言いながら、俺へと屈みこむ。

シャツを触る。





(―――――――――この野郎ぅ!)





ガリっ!



「ぎゃっ!?」

「蛇塚さん!?」

〈菊千代!?〉

「こ、こいつ!噛みつきやがった!?」


(や、やった!?)





手足が動けない今、噛むしかできない。

ダメ元で、動かない体に力を入れた結果。




「ぎゃあああ!?いってぇー!?」

「大丈夫ですか、蛇塚さん!?」

「げ!?歯型から、血が出てる!?」


(へへ・・・ざまーみろ!)




俺をコケにしたクソガキに、仕返しが出来た。



〔★瑞希は一矢(いっし)報いた★〕




「ははははは!すげーぜ、真田さん!さすが、初代龍星軍頭だぜ!」




痛がる相手に、清々していれば、笑い声が起こる。



〈なんだ!?だれか、いるのか!?〉

「いるぜ!あんたの身内のエゲツナイ誘拐の犠牲者だよ!」

「可児っ!」




田渕の言葉に、画面から見えない位置で可児が叫ぶ。





「黙って聞いてれば、そろいもそろってロクデナシだ、オメーら!凛さんは、今の真田さん以上に手ごわいぞ!凛さんをなめてかかれば、手をかまれるぐらいじゃ済まねぇぞ!」

「可児っ!?テメー殺――――――――――――――――!!」



「こ、ろす・・・・」




怒り心頭で、可児へと向かおうとした奴に言った。




「なっ!?」

〈瑞希!?〉


「真田さん、声が!?」




驚いて動きを止める全員に、途切れる声で告げる。




「りん・・・に、てぇ・・・・だした、ら、ぶっころ・・・・す・・・・!」




力の入る顔面。

自由に動けるようになった顔の筋肉。

それを使って、最高のメンチを切りながら告げる。