〈オイ、瑞希に触るな!俺への当てつけか!?〉
「まさか!欲情しないように、お腹を隠すだけだよ~!」
田渕にそう言いながら、俺へと屈みこむ。
シャツを触る。
(―――――――――この野郎ぅ!)
ガリっ!
「ぎゃっ!?」
「蛇塚さん!?」
〈菊千代!?〉
「こ、こいつ!噛みつきやがった!?」
(や、やった!?)
手足が動けない今、噛むしかできない。
ダメ元で、動かない体に力を入れた結果。
「ぎゃあああ!?いってぇー!?」
「大丈夫ですか、蛇塚さん!?」
「げ!?歯型から、血が出てる!?」
(へへ・・・ざまーみろ!)
俺をコケにしたクソガキに、仕返しが出来た。
〔★瑞希は一矢(いっし)報いた★〕
「ははははは!すげーぜ、真田さん!さすが、初代龍星軍頭だぜ!」
痛がる相手に、清々していれば、笑い声が起こる。
〈なんだ!?だれか、いるのか!?〉
「いるぜ!あんたの身内のエゲツナイ誘拐の犠牲者だよ!」
「可児っ!」
田渕の言葉に、画面から見えない位置で可児が叫ぶ。
「黙って聞いてれば、そろいもそろってロクデナシだ、オメーら!凛さんは、今の真田さん以上に手ごわいぞ!凛さんをなめてかかれば、手をかまれるぐらいじゃ済まねぇぞ!」
「可児っ!?テメー殺――――――――――――――――!!」
「こ、ろす・・・・」
怒り心頭で、可児へと向かおうとした奴に言った。
「なっ!?」
〈瑞希!?〉
「真田さん、声が!?」
驚いて動きを止める全員に、途切れる声で告げる。
「りん・・・に、てぇ・・・・だした、ら、ぶっころ・・・・す・・・・!」
力の入る顔面。
自由に動けるようになった顔の筋肉。
それを使って、最高のメンチを切りながら告げる。


