「そこにいるんだろう?」
〈焦んないでよ。受けてくれるの?〉
「現物を見てからだ。」
〈はいはい、ほら!〉
ふてくされたように言うと、画面が動く。
「瑞希。」
目に飛び込んできたのは、両手両足を縛られている愛しい者。
口は薄く開き、目も半分までしかあいてない。
ぐったりとしたその体を、男2人が抱えていたが。
「なにしてる?」
その姿に、田淵の顔がゆがむ。
「おい、誰が瑞希にベタベタ触っていいって言った・・・!?」
〈え!?〉
〈お、俺らスか・・・!?〉
「他に誰がいるっ!?とっとと瑞希から離れやがれクソガキ埋めるぞっ!!?」
〈〈ひっ!?〉〉
巻き舌で言った田渕に、同時に叫んで離れる若者二人。
恐怖で瑞希から手を離す。
それで、ポフンと瑞希の体がベットに沈んではねた。
〈ちょっと、おじさん!いきなり大声は~〉
これに蛇塚が苦笑いでなだめる。
しかし、肝心のおじさんはなごまない。
冷淡な目をギロッとさせながら、乱暴な口調で蛇塚に怒鳴る。
「菊千代っ!テメー瑞希に何しやがった!?マグロみてぇーに動かねぇぞ!?電源落ちてんじゃねぇか!?」
〈いや、暴れるから薬嗅がせただけだって!〉
「ざけんなっ!後遺症残ったらどうすんだ!俺のもんだぞ!?」
〈ごめんって、悪かったよ!で?どーすんの?いる?〉
「ガキっ・・・!大の大人に向かって、あんだその口の利き方はっ!!?」
ドンと、怒りに任せて机を叩けば、パソコンがカタカタと揺れる。
側にいる子分達は、固まったまま動かない。
下手に声をかければ、よくないことになるとわかっているからだ。
〈なんだよ、文句あんのかよ?〉
怒り狂うヤクザに、今度はヤンキーが不機嫌そうにつぶやく。


