答えない=事実と断定した上で田渕は聞いた。
「菊千代、瑞希はどこだ?」
〈ほらねぇ~興味あるくせに・・・・田渕組長ってば、ツンデレ?〉
ニヤリと菊千代が笑えば、田淵は不機嫌そうに息を吐く。
「俺の獲物に手を出すと、身内でも死ぬのは知ってるだろう?」
本音をさらす。
これに蛇塚は、動じることなく、変わらぬ調子で答えた。
〈誤解だよ、叔父さん。俺も大人だから、そういうスリルを求めた遊びはしないから。〉
「金か?送金はされてるだろう?」
〈金はあるよ。〉
「女か?」
〈女にも満足してる。叔父さんさぁ~『凛道蓮』って知ってる?〉
「・・・あんっ・・・!?」
菊千代の言葉に、田渕の眉が吊り上げる。
〈オメー、次その名前を出したら、二度と俺とため口聞けると思うなよ・・・!?〉
「俺は知ってるぜ、そいつのこと。ずいぶん舐めたガキでさ~」
〈・・・・何が言いたい?〉
「交換殺人ってわかる?」
相手が自分を見ていることをわかった上で、画面に顔を蛇塚ながら言う蛇塚。
〈昔、ニュースになったじゃん?夫が嫌いな妻同士が、相手のパートナーを殺して、お互いのアリバイを作って完全犯罪をするって奴。〉
「俺に、凛道を殺せって言うのか・・・?」
〈『将来』のために見本にしておきたいんだ。殺さない程度で、ターゲットを追い込むやり方。〉
「その報酬が、瑞希ということか?」
〈ははは!交換って言ってるじゃんか?おじさんにとっても、悪い話じゃないと思うけど?〉
「瑞希はどこだ?」
ニヤリと笑う菊千代に、元の無表情に戻しながら強面が聞く。


