ブレーキとエンジンを止めたところで、その報告を獅子島さんにする。
「獅子島さん、止めました。」
〈ご苦労。その辺りに、アイテムがあるはずだ。〉
「はあ?アイテム!?」
〈そうだ。一部を、凛道の単車に積んでおいた。〉
「僕の知らない間に何してるんですか!?」
〈そう喜ぶな。まさかとは思うが、その姿で乗り込む気だったか?〉
「は?まぁ、そうでしたが・・・」
乗り込むも何も、龍星軍として瑞希お兄ちゃんを助けに行く。
(大体、特攻服渡してきたじゃんか?)
そう思って返事すれば獅子島さんは言う。
〈愚かな。それだとすぐに、サツにパクられるぞ?〉
「そうセッティングしたの先輩方でしょう!?」
〔★無責任だった★〕
私の正論を気にすることなく、伊織は鼻で笑いながら言った。
〈やれやれ、考えが甘い。これからお前達が乗り込むのは、セキュリティー万全の高級マンションだ。〉
「高級マンション!?」
(そんなところに、誘拐されてたの!?)
「おい、高級マンションがどうしたんだよ、凛?」
「まさか、そこに瑞希さんが!?」
「そうみたいだよ、円城寺君!獅子島さん、そんなところにこんな格好で入れば、即通報されてしまいますよ!?」
〈逮捕だ、馬鹿者。だから、知恵を授けようというのだ。今から言うことをよく聞け。実行しろ。失敗は許さん。いいな?〉
「一度に全部言い切りましたね!?」
つくづく、無駄のない人だと思いつつも不安になる。
(私のバイクに、何を入れたんだろう・・・?)
Gとか入ってたら嫌だと思う。
ホントどうやって、ゴキブリ集めたんだろうー?
(というか、こんな廃墟みたいなアパートに、どんなアイテムがあるって言うの・・・?)
草ぼうぼうの駐車場には、壊れた自転車や粗大ごみが放置されている。
(どうやって、瑞希お兄ちゃんを助けようというの?)
彼が助かるなら何でもするけど、出来る範囲の作戦であってほしいと願った。


