回想して思う。
(あーあ・・・・凛に『気をつけろ!気をつけろ!』って言っておいて、俺が捕まってどうするんだか・・・)
心の中で反省していれば、俺の髪をなでながら蛇塚が言った。
「けどさーなんで、可児はあんなところにいたんだよ?まさか、瑞希ちゃんをストーキングしてたの?」
(それは俺も思った。)
あまりにも良すぎたタイミング。
なぜ、あそこで助けに来れたのか。
俺も感じていた疑問に、本人は悪態をつきながら答えた。
「けっ!俺はオメーと違って、受けた恩を返す!凛さんが真田さんのストーカーのことで悩んでるって聞いて、証拠を得るために張ってたんだよ!」
(マジか!?)
義理堅いとは聞いていたが、マジもんの硬派だな・・・!
〔★瑞希は可児を見直した★〕
「ぷっ!はははは!そんな理由かよ~?」
感心する俺とは対照的に、蛇塚の反応は最悪だった。
「ひはははは!あんなガキに『凛さん』って、いよいよ手下に格下げかよ?」
完全にバカにした言い方。
その言葉で、周囲からも笑いが起こる。
「ぎゃははは!そうすっよねー!可児みてぇーな大男が、ちっこいのをさん付けとか~!」
「いつから子供店長に仕えてんだ~?ひっひっひっ!」
「はははは!じいやと若様かよー!?」
(何がおかしいってんだ!?)
周りのガキ共の声で、俺のアドレナリンが上がる。
(テメーらみたいなクズが、凛を理解できるとは思わねぇが、胸糞悪いぞ!)
そう思って、不機嫌になっていそうな可児を見たが―――――――
「おう、好きなだけ笑え。」
(あ?)
俺が見た可児は、とても冷静だった。
それどころか、ここに連れてこられて、ボコボコニされていたなかで、一番マシな顔そしていた。
「笑えだと、可児・・・?」
「そうだ、笑えよ、全員で。」
真面目な顔で可児は言った。
「俺は、『凛道蓮』さんって人間のおかげで目が覚めた。まっとうな人間に戻ったばかりの新米だ。それが、人間にもなれねーゴキブリ以下のテメーらにどういわれようと、痛くもかゆくもねぇーんだよ。」
「なんだとぉ!?」
(可児・・・・!)
その言葉で、蛇塚が俺から離れる。
力の入らない身体が、ボフッとベッドの上でゆれ動く。


