「まぁ、ホントはここまでガスをきかせるつもりはなかったんだぜ?あんまり、かがせ過ぎると、快感もわからなくなるからさ。」
(快感だ!?俺に何する気だ!?セクハラで訴えんぞ!?)
〔★それ以外でも訴えられる★〕
罵声を浴びせてやりたいが、口はおろか、眉さえ動かない。
そんな俺に、周りのガキ達が気まずそうに言った。
「蛇塚さん・・・・全然反応してませんが、マジで大丈夫っすか?」
「そうっすよ!完全にお人形なんすけど、いいんすか・・・・!?」
「いいんだよ。どうせ、意識は残ってる。」
不安がる周りをよそに、蛇塚が笑う。
そして、息がかかるぐらいまで俺に顔を近づけながらささやく。
「この目は、聞えてて怒ってる目だ・・・!なぶり甲斐がある、楽しい目だぜ・・・!」
(このガキ・・・・!)
「仮に、ガスが抜けて動けたとしても、こいつは1人じゃ逃げられない。」
(そうだよ、俺一人で、ここからは逃げられない・・・!)
「そうだろう――――――――――可児良信君?」
「下種野郎・・・・・!!」
蛇塚の言葉に、部屋の片隅で、チャーシューみたいになっている可児がうめく。
「マジでビビったぜ。いつから、真田瑞希のパシリになったんだよ?」
「テメーはゲスだ・・・!」
「ははは!言ってろよ!なにもできねぇくせによ~!?」
可児を笑い飛ばすと、これ見よがしに俺を抱き起して、髪や顔を触ってみせる。
「てめ!汚ねぇ手で、真田さんに触るなっ!!」
(ああ、うん、同感だ・・・・)
俺を心配するガキを見て思う。
俺一人で、ここから逃げるわけにはいかない。
行くなら、可児も連れて行かなきゃいけない、と。
(うまくいかねぇもんだな・・・・・)
どうして、俺と一緒に可児までさらわれたのか。
話は、30分ほど前にさかのぼる。


