「はあ!?徒歩で、瑞希さんを誘拐!?」
「うはははは!小学生じゃのぉ~」
「いや、もはや幼児扱いじゃんか!?」
「真田先輩、よく逃げないな!?」
「馬鹿にしてんのかよ、オイ!?」
「逆だ、馬鹿共。そんなことがあるか。」
「獅子島さん!」
みんなの意見を否定して獅子島さんは言う。
「瑞希の強さをわかった上で、抵抗できな状態にしたのだろう。不意打ちであれ、薬をかがせれば簡単だ。」
「あ!?それなら、走ってでも連れて行けますね!?」
「そういうことだ、凛道。」
私の言葉にこちらをお見ながら獅子島さんもうなずく。
「このやり方・・・誘拐の実行と言う意味では、100%田渕組長は関わっておらん。関わってはおらんが―――」
「ええ!?そうなですか!?わかるんですか!?」
「当たり前だ。ただし、田淵組長と利害関係が一致したバカが、関わっているのは間違いないだろう。」
「え・・・・!?」
(利害関係の一致した・・・・!?)
「凛道。」
「はい・・・」
「どうする?」
無表情の先輩が、にやりと笑う。
私を試すかのような挑発的な笑み。
だから私は・・・・『俺』としては答えた。
「どうもしません。俺の、俺らの大事な瑞希さんを奪ったことには変わりない。」
そう、この気持ちは変わらないから。
「返してもらう!あの人が大事な者だから!!」
「ふん・・・少しはましな面になったじゃないか。行って来い。」
「いってきます。」
そう伝えて、初代副総長に背を向ける。
振り返った先には、真面目な顔で私を見る仲間。
約一名、ニヤニヤしている関西人がいたがスルーした。
わざとではなく、普段からそうなのだとわかり始めていたから。
だから、気にせず口火を切った。
「聞いての通りだ。」
彼らに向けて、私は告げる。
「相手は不明だが、ストーカーヤクザとつながってる。ストーカーとはいえ、ヤクザはヤクザ。親不幸はさせたくない。それでも、俺と一緒に来てくれるか?」
ファイナルアンサーで尋ねた。
「ざけんなよ、凛道。」
その返事は、意外と早かった。


