瑞希お兄ちゃんへのお使いのお願いと、『友達できました報告』はあきらめよう。
メールでしようと思った時だった。
〈プッ!〉
「え?」
電話のスイッチが入る音がした。
同時に、声のようなものがした。
〈くみ――――――――――〉
(くみ?)
『くみ』ってなに?
それとも、グミ?
(なんて言ったの?)
聞き取れず、意味も不明。
だから呼びかけた。
最愛の人に。
「瑞希お兄ちゃん?」
その返事はー・・・・
〈ブチっ!!〉
「え!?」
〈ツー、ツー、ツー・・・・〉
無回答。
「え・・・・?」
なにもしてないのに、切れた電話。
相手が一方的に切ってしまったのはあきらかだったが・・・
(どういうこと・・・?一度つながって切れた・・・・!?)
すごく不自然な終わり方。
というか。
(『くみ』って、言ったよね?・・・・人の名前だったよね?)
私がかけたのは、真田瑞希さん。
一文字もあっていない。
「どうなってるの??」
「どうした、凛たん?」
「今、つながらなかった?」
「切れたようだが・・・?」
「わはははは。」
「烈司さん、モニカちゃん、獅子島さん、百鬼さん、それが!」
私と携帯をのぞき込んでくる先輩方に言った。
「つながったんですけど、切られちゃいました!」
「「「きられた?」」」
「わはははは!瑞希、なんか言ってたか~!?凛助!」
「それが・・・『くみ』って、人の名前を言ってから切れてしまって・・・」
「なに?どうつながって、どうきれたんだ?」
今度は獅子島さんが聞いてくる。
「どうって・・・」
だから、わかっていることを答えた。
「電話には出たんですけど、『くみ』って言ってから、すぐ切れたんです。瑞希お兄ちゃんって、読んだ瞬間切れたという感じで・・・・」
「烈司、瑞希の携帯にかけろ。」
「獅子島さん!?」
「おっけー。」
私が言い切る前に、獅子島さんが烈司さんに言う。
烈司さんはすぐに携帯を出して耳にあてるけど――――――――
「だめだ。音はしてるが、出ない。」
「え!?」
「ふむ、おかしいな・・・瑞希は、仕事中に来た電話は、5コール以内に切る。仕事の邪魔になるから、すぐ出せるようにしている。仮につながらないとしても、通話ボタンを押すなど絶対にありえん。」
「ええ!?それじゃあ・・・・!?」
嫌な予感。
「瑞希お兄ちゃんに、何かあったって言うんですか!?」
「なに!?瑞希さんがどうした、凛道!?」
私の言葉を聞きつけ、円城寺君達がおしゃべり(?)をやめてやってきた。


