彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




瑞希お兄ちゃんへのお使いのお願いと、『友達できました報告』はあきらめよう。

メールでしようと思った時だった。







〈プッ!〉

「え?」





電話のスイッチが入る音がした。

同時に、声のようなものがした。





〈くみ――――――――――〉


(くみ?)





『くみ』ってなに?

それとも、グミ?



(なんて言ったの?)





聞き取れず、意味も不明。

だから呼びかけた。

最愛の人に。







「瑞希お兄ちゃん?」




その返事はー・・・・




〈ブチっ!!〉


「え!?」


〈ツー、ツー、ツー・・・・〉




無回答。





「え・・・・?」





なにもしてないのに、切れた電話。

相手が一方的に切ってしまったのはあきらかだったが・・・




(どういうこと・・・?一度つながって切れた・・・・!?)




すごく不自然な終わり方。

というか。




(『くみ』って、言ったよね?・・・・人の名前だったよね?)





私がかけたのは、真田瑞希さん。

一文字もあっていない。





「どうなってるの??」


「どうした、凛たん?」

「今、つながらなかった?」

「切れたようだが・・・?」

「わはははは。」

「烈司さん、モニカちゃん、獅子島さん、百鬼さん、それが!」




私と携帯をのぞき込んでくる先輩方に言った。





「つながったんですけど、切られちゃいました!」

「「「きられた?」」」

「わはははは!瑞希、なんか言ってたか~!?凛助!」

「それが・・・『くみ』って、人の名前を言ってから切れてしまって・・・」

「なに?どうつながって、どうきれたんだ?」




今度は獅子島さんが聞いてくる。



「どうって・・・」



だから、わかっていることを答えた。




「電話には出たんですけど、『くみ』って言ってから、すぐ切れたんです。瑞希お兄ちゃんって、読んだ瞬間切れたという感じで・・・・」


「烈司、瑞希の携帯にかけろ。」

「獅子島さん!?」

「おっけー。」





私が言い切る前に、獅子島さんが烈司さんに言う。

烈司さんはすぐに携帯を出して耳にあてるけど――――――――




「だめだ。音はしてるが、出ない。」

「え!?」

「ふむ、おかしいな・・・瑞希は、仕事中に来た電話は、5コール以内に切る。仕事の邪魔になるから、すぐ出せるようにしている。仮につながらないとしても、通話ボタンを押すなど絶対にありえん。」

「ええ!?それじゃあ・・・・!?」




嫌な予感。




「瑞希お兄ちゃんに、何かあったって言うんですか!?」

「なに!?瑞希さんがどうした、凛道!?」




私の言葉を聞きつけ、円城寺君達がおしゃべり(?)をやめてやってきた。