盛り上がる空気の中で、その人は叫んだ。
「あ!いけなーい!みーちゃんに頼むのわっすれたわ~!凛ちゃん、電話してくれない?」
「なにをです、モニカちゃん?」
「お豆腐!」
私の質問に、モニカちゃんが困り顔で言う。
「明日の朝食べるイソフラボンがなくなってたの、忘れてたわ~」
「そういや、明日はモニカが朝飯当番か?」
「そうよ、れーちゃん!みーちゃんの通勤ルートに、新しいお豆腐屋さんができたっていうからチェックしたいしね~」
「わはははは!俺は豆腐なくてもいい!なす入れろ、なす!」
「それなら、そうめんも入れ忘れるな。」
「味噌汁じゃなくなってるじゃない、皇助、イオリン!?凛ちゃん、お電話して~」
仲間からのリクエストを却下すると、ウィンクしながら言うオネェさん。
「え?僕が電話してもいいんですか・・・?」
「あらん、電話したいんじゃないのー?みーちゃんに、お友達のことご報告したくなーい?」
「いるのは、お豆腐だけでしょうか?」
「って、するのかよ!?」
携帯をかざしながら言えば、隣でカンナさんがツッコむ。
「もちろんだよ、カンナさん!先代の教えは絶対だ!」
「そうかっこつけて、自分の欲望を実現してる気がしてならねぇーぞ!?」
〔★カンナは観察力があった★〕
「きゃはは!どっちも正解~♪そうねぇ~ついでに、ピーマンとパプリカもほしいわぁ~あ、パプリカはオレンジにして!」
「モニカ先輩も!色指定で追加するんすか!?」
「おほほほ~いいでしょう~じゃあ、早くかけちゃいなさい、凛ちゃん!」
「はい、モニカちゃん!」
優しいオネェさんの言葉で、瑞希お兄ちゃんの番号をプッシュする。
(気を使ってくれて、モニカちゃんっていい人だな~♪)
耳に携帯をあてて、カンナさん達から離れる。
(瑞希お兄ちゃん♪瑞希お兄ちゃん♪)
お仕事かもしれないけど、まだ始まってないと思う。
時間からすれば、お店について着替えてるぐらいだから電話に出れるはず。
私の電話に出てくれれば、良いと思う。
プルルル、プルルル。
着信音を聞きながら待機した。


