瑞希お兄ちゃんがいなくなった室内は、心なしか寂しい。
そのせいか、やけに他の人の声がよく響いた。
「宗方先輩、瑞希さん1人で行かせてよかったんすか?」
「円城寺君?」
そう語る声のトーンは、かなり低い。
瑞希お兄ちゃんがいなくなって、彼も寂しいのかな?と思ったけど、ちょっと違う。
(なんで、今にもケンカ売りそうな顔で烈司さんにつっかかってるの・・・・・?)
そうとしか言えない態度。
不満が満ちた顔で言う円城寺君に、タバコを口にくわえた烈司さんが言った。
「よかったとは言い切れねぇけど、瑞希も子供じゃない。」
「けど!田淵がただの不動産屋じゃないのは知ってるでしょう!?」
「円城寺、送って行ってやるから用意しろ。」
「宗方先輩!俺に瑞希さんのボディガードさせてください!」
「俺らや凛たんがいるからいらねぇ。」
「先輩方はともかく、誘拐されたボディーガードよりは役に立ちます!足手まといにはなりません!」
「自力で生還してんだから、そっちの方が評価できるぞ。」
「宗方先輩!」
「いい加減にしろ。」
食い下がる円城寺君に、低い声と鋭い目つきで烈司さんが言った。
「これは、瑞希の問題だ。凛たんは瑞希の後輩だ。龍星軍以外が、首突っ込んでんじゃねぇーぞ・・・・!?」
「うっ・・・!」
怖い顔で、反論できない台詞を吐く烈司さん。
「たくっ、俺じゃ話にならないなー?皇助、パス!オメーが円城寺送ってくれ。」
「わはははははは!あの世にか~!?」
「円城寺家に届けてくれ。」
そう言って、近くにあった雑誌を開く烈司さん。
「喧嘩すんなよ。」
完全に、その話は終わりだという態度で円城寺君から視線を逸らした。
これに言い足りない円城寺君は・・・・
「あん・・・だよ・・・・!?」
「え、円城寺君?」
グッ拳を握ると、烈司さんのいるテーブルに、バン!!と手をつきながら言った。
「関係あんだよ!!俺は・・・俺は龍星軍だからだっ!!」
「え!?」
(龍星軍だからって・・・・!?)
「どういうこと、円城寺君・・・?」
「凛道!」
烈司さんをにらんだまま、円城寺君が私の名を呼ぶ。
「オメーがそこまで頼むなら、俺も龍星軍メンバーになってやる!今日から、俺も龍星軍だっ!!」
「ええええ!?」
「龍星軍総長からの頼み、この場にいる全員が聞いただろう!俺もカンナに付き合って、やってやるよ!龍星軍!」
「え、円城寺君!?」
そう宣言する姿は、本気そのものだった。
〔★急展開である★〕


