私の嘆願(たんがん)に、瑞希お兄ちゃんはまた言い訳をはじめる。
「待てよ、凛!嫌な思いさせたのは、謝―――――」
「そうじゃないよ!僕はいいけど、瑞希お兄ちゃんに何かあったらイヤなんです!」
「凛・・・」
「みんなだって、イヤですよね!?」
瑞希お兄ちゃんにくっつきながら裁決(さいけつ)を取る。
みんなこれに答えてくれた。
「たりめーだ、馬鹿野郎!つーか、瑞希さんから離れろクソガキ!」
「うるせぇぞ、大河!真田先輩、ストーカーは嫌がってるけど、凛にくっつかれることは嫌がってねぇじゃん?大目に見てやれ!」
「高千穂ちゃん、正解♪凛ちゃんの言う通り、あたしもあの親父を見納めしたーい!」
「同感だな。性質の悪い悪霊は片づけないとな~」
「うはははは!なんや、楽しそうやなぁー!わしも参加するで!」
「厚かましいな、テメー!?声もデカいし!倒すのは賛成だけど!」
「俺も悠斗と同じです。真田先輩もすけど、誰かになんかあるとよくないって言いますか~」
「わはははは!だってよぉ~伊織!」
「急かすな。最終的にはそうする。」
「ほらぁ!!みんなそう言ってるじゃないですか!?」
「お前ら・・・」
必死な私に、彼はため息をつきながら言う。
「気持ちは嬉しいけどな、凛は聞いてないだろう?」
「瑞希お兄ちゃんに迫る親父の言葉を聞きました。」
「そっちじゃない!誘拐された時、誘拐犯が『田渕の名前』を出したか?言ってないだろう?」
「う!?そ、それは・・・聞いてませんが・・・」
「どちらかといえば、蛇の目が仕掛けたっぽい話じゃねぇか?」
「そうですけど・・・・」
「まぁ、ぶっちゃけ、凛が初めて俺の職場に乗り込んできた時点で、もう一度警察には頼みに行った。」
「え!?行かれてたんですか!?」
「聞いてないぞ、瑞希?」
「ガキじゃあるめぇーし、そこまで言うかよ?」
眼をパチクリする私と烈司さんに、そっけなく答える瑞希お兄ちゃん。
(でも・・・)
「でも嬉しいです!瑞希お兄ちゃんが、諦めないで通報してくれて!」
いくら無駄だったとはいえ、人間だって進化する。
(あれだけ騒いで、目撃者もいて、何とかしてくれないはずない!)
〔★凛も騒いだ1人だ★〕


