彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




私の嘆願(たんがん)に、瑞希お兄ちゃんはまた言い訳をはじめる。




「待てよ、凛!嫌な思いさせたのは、謝―――――」

「そうじゃないよ!僕はいいけど、瑞希お兄ちゃんに何かあったらイヤなんです!」

「凛・・・」

「みんなだって、イヤですよね!?」




瑞希お兄ちゃんにくっつきながら裁決(さいけつ)を取る。

みんなこれに答えてくれた。



「たりめーだ、馬鹿野郎!つーか、瑞希さんから離れろクソガキ!」

「うるせぇぞ、大河!真田先輩、ストーカーは嫌がってるけど、凛にくっつかれることは嫌がってねぇじゃん?大目に見てやれ!」

「高千穂ちゃん、正解♪凛ちゃんの言う通り、あたしもあの親父を見納めしたーい!」

「同感だな。性質の悪い悪霊は片づけないとな~」

「うはははは!なんや、楽しそうやなぁー!わしも参加するで!」

「厚かましいな、テメー!?声もデカいし!倒すのは賛成だけど!」

「俺も悠斗と同じです。真田先輩もすけど、誰かになんかあるとよくないって言いますか~」

「わはははは!だってよぉ~伊織!」

「急かすな。最終的にはそうする。」


「ほらぁ!!みんなそう言ってるじゃないですか!?」

「お前ら・・・」




必死な私に、彼はため息をつきながら言う。



「気持ちは嬉しいけどな、凛は聞いてないだろう?」

「瑞希お兄ちゃんに迫る親父の言葉を聞きました。」

「そっちじゃない!誘拐された時、誘拐犯が『田渕の名前』を出したか?言ってないだろう?」

「う!?そ、それは・・・聞いてませんが・・・」

「どちらかといえば、蛇の目が仕掛けたっぽい話じゃねぇか?」

「そうですけど・・・・」


「まぁ、ぶっちゃけ、凛が初めて俺の職場に乗り込んできた時点で、もう一度警察には頼みに行った。」

「え!?行かれてたんですか!?」

「聞いてないぞ、瑞希?」

「ガキじゃあるめぇーし、そこまで言うかよ?」



眼をパチクリする私と烈司さんに、そっけなく答える瑞希お兄ちゃん。




(でも・・・)

「でも嬉しいです!瑞希お兄ちゃんが、諦めないで通報してくれて!」




いくら無駄だったとはいえ、人間だって進化する。



(あれだけ騒いで、目撃者もいて、何とかしてくれないはずない!)




〔★凛も騒いだ1人だ★〕