Closeのかかっているお店の中。
私からの話に、瑞希お兄ちゃんがしみじみと言う。
「いや、この場合は・・・よく戻ってきた、か?なんもなくてよかったぜ、凛。よしよし。」
「えへへへ・・・!わーい!」
瑞希お兄ちゃんに頭をナデナデされ、それまでの疲れが一気に吹っ飛んだ。
危うく誘拐されかけた私ですが、カンナさん達のおかげで無事に瑞希お兄ちゃんの待つ『felicita(フェリチータ)』へと帰還していました。
逃げのびた私を出迎えてくれたのは、不安と安堵を併せ持った表情の瑞希お兄ちゃん。
「凛!」
「瑞希お兄ちゃん!」
両手を差し出し、胸を開けてくれたので飛び込む。
期待通りキャッチされ、抱きしめられる。
「円城寺から連絡もらったモニカから聞いて―――――――!このばか!マジで心配したんだぞ!?」
「ごめんなさい、瑞希お兄ちゃん・・・!」
「ああ、くそ!マジで、無事でよかったぞ~・・・!」
そう言って、苦悶と安堵の表情で、私を抱き寄せる瑞希お兄ちゃん。
強く抱きしめ、何度も耳元で「危ないだろう!?」と、「気をつけろ!」と怒ってくださり、さらに抱きしめてくれたのでした。
〔★甘い対応だった★〕
室内に入り、みんなが落ち着いたところで、私が自分に起きた事件について説明したのでした。
「やってくれるじゃねぇか。龍星軍の頭に狙い定めるなんてよ?」
「すみません、誘拐されてしまって・・・」
「気にするな、凛。無事、帰ってきたことに意味がある。それに運転手だけに的を絞って攻撃するなんてなかなか出来ないぜ、凛?」
「瑞希お兄ちゃん・・・」
「よくやったな!良い子だ。」
「そんな・・・えへへへ!瑞希お兄ちゃんの教えに従ったまでです!」
「いいや、教えたのは俺だ、馬鹿者。」
優しく微笑む瑞希お兄ちゃんに笑顔をふりまけば、側にいた獅子島さんが鋭く言った。
そう、私の帰りを待っていたのは、瑞希お兄ちゃんだけじゃなかった。


