かけようとした携帯が鳴った。
「え!?ヤマト?」
『凛道蓮』の携帯にかかってきたのは、今まさに、かけようとした相手からだった。
すごいタイミングだと思いながら出る。
「もしもし?」
〈オレやオレ!大変なんや!事故におうて、200万いんねん!振り込んでくれへん!?〉
「ATMスタイルの金貸しのところに行ったら?」
〔★凛はヤマトをスルーした★〕
〈なんでやねん!?即決で借金コースを勧めるなや!薄情やないか!?うはははは!〉
「そっちこそ、オレオレ詐欺はやめてくさい。それよりカンナさんは?」
ふざける相手にため息をがまんしながら、小声で聞いた。
「ちゃんと、カンナさんに会えた?頼んだ通り、彼女を引き止められたんですか?」
〈あたしがどうしたって?〉
「え!?カンナさん!?」
突然変わった電話の声。
(なんで、ヤマトの電話にカンナさんが!?)
その謎は、次の言葉で解決した。
〈ああ、なにすんねん!?わしの携帯返してー!〉
〈うるせぇ!借りてるだけだろう!〉
〈どこが!?『貸して』も言わんと、ひったくったやんかー!?〉
〔★奪い取ったらしい★〕
ヤマトとカンナさんのもめる声が響いたが、それもすぐに終わる。
〈いいからしゃべらせろ!〉
〈うははは!カンナちゃんにはかなわんのー?〉
争いを放棄(ほうき)したヤマトによって、電話相手はカンナさんとなる。
〔★カンナが勝利した★〕
〈たくっ!面倒なことしやがってよー!凛、あたしになんのようだよ?〉
「そ、それは―――――――」
代わってすぐの第一声。
予想外の問いかけだった。


