「カンナさん、なんで・・・・?」
あたしに、聞いてくることしかしなかった凛。
普通なら、ののしるなり、殴るろうとするそぶりぐらいするのに。
あたしが叩いた男は、どちらにも当てはまらなかった。
(捨てられた子犬か、子猫か・・・マジで小動物だわ・・・・)
あたしを怒るんじゃなくて、なぜ叩いたの?と聞くだけだった。
(なんだよあれ!?マジで軟弱だろう、ばかが!な~にが、『なんで?』だよ?それでも男かよ・・・!?)
ムカムカして、頭にきてるはずなのに。
―僕、カンナさん大好きだよ―
―カンナさんに手を出すな!―
―カンナさん、カンナさん!―
―カンナさんが友達で、僕よかった。―
(あいつ・・・・・・怒ってるかな。)
凛を叩いて別れてから、凛のことばかり思い出す。
ガキみたいに、あたしのことを呼んで、好きだ好きだという無邪気な姿。
(小動物じゃなくて、『子供』じゃんか・・・)
悪い意味でそう思うんじゃない。
本当に、純粋な意味で子供だと思う。
(ひねくれてれば、なくなっちまう・・・純真な部分が、凛には残ってる・・・)
だから、凛はあたしを怒らなかったのかもしれない。
邪心も何もなく、あたしを友達と思っていたから、あたしがしたことが理解できてないんだろう。
(あたしの怒りにも、疑問で返してきたんだ・・・・・・!!)
「いてぇんだよ・・・・」
「え?カンナ、どこか悪いのか!?」
「だから、そんなに顔色悪いのかよ?」
「・・・・うるせー・・・・」
男友達の言葉で我に返る。
「カンナ!?頭でも痛いのか!?」
「あるいは、生理痛~?」
「しつけぇぞ、悠斗、秀!なんでもねぇーよ!」
寄ってくる仲間を手で追い払う。
悠斗たちから離れ、窓際に頬杖つきながら思う。


