彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




やっぱり、不愉快にされた。




「反省してるんですか、菅原さん。」

「本当に私は、突き飛ばされただけの被害者です。」




冷暖房のきいた生活指導室。

テーブルを挟んでにらみ合うのは、私と担任の井谷先生。

以下、ババアと呼ぶ。




「あれだけ目撃と証言がるのに、いくらいじめられた恨みがあると言っても、全部渕上さんのせいにして恥ずかしくないんですか。」



(そのセリフ、そっくりそのまま返してやる。)



恥ずかしいのは、お前の方だ。



ババアは、やってきた私に最初からキレていた。

完全に悪者扱いしてくれた。





「井谷先生、今は信じて頂けなくても、信じて下さると私は信じています。」




だから私も、真面目で正直な生徒を演じた。

吐き気がするセリフを真剣に言えば、相手は大きくため息をつく。

あからさまに、不快な顔で言った。




「もういいです。あなたの言いたいことはわかりました。私が信じる信じないは別として、今後一切、あなたからの言葉は信じないようにします。」



(~いい加減にしろっ!!)





教師だからって、言っていいセリフと悪いセリフがある。




(でもここで、挑発にのったらダメ!)




私を怒らせて、やっぱりね~と言って謝らせることが狙い。




「それでも私は、本当のことしか言いません。それしか言えないからです。」

「お話になりませんね。帰っていいですよ。」

「井谷先生がそうおっしゃるなら、帰ります。」





こうして、話し合いは平行線で終わった。




「失礼しました。」




こっちは礼儀正しく言ってるのに、ババアは返事さえよこさない。

廊下に出れば、こちらを見ている女子の集団。





(渕上・・・!)



問題の女もいた。

ニヤニヤしながら、その輪の中で私を見ていた。

勝ち誇っている顔を、殴り飛ばしたくなる。




(テメーは自分の爪でも、ながめてやがれ!)




攻撃するのを無視して、腕時計を見る。

授業開始まで時間はあった。