やっぱり、不愉快にされた。
「反省してるんですか、菅原さん。」
「本当に私は、突き飛ばされただけの被害者です。」
冷暖房のきいた生活指導室。
テーブルを挟んでにらみ合うのは、私と担任の井谷先生。
以下、ババアと呼ぶ。
「あれだけ目撃と証言がるのに、いくらいじめられた恨みがあると言っても、全部渕上さんのせいにして恥ずかしくないんですか。」
(そのセリフ、そっくりそのまま返してやる。)
恥ずかしいのは、お前の方だ。
ババアは、やってきた私に最初からキレていた。
完全に悪者扱いしてくれた。
「井谷先生、今は信じて頂けなくても、信じて下さると私は信じています。」
だから私も、真面目で正直な生徒を演じた。
吐き気がするセリフを真剣に言えば、相手は大きくため息をつく。
あからさまに、不快な顔で言った。
「もういいです。あなたの言いたいことはわかりました。私が信じる信じないは別として、今後一切、あなたからの言葉は信じないようにします。」
(~いい加減にしろっ!!)
教師だからって、言っていいセリフと悪いセリフがある。
(でもここで、挑発にのったらダメ!)
私を怒らせて、やっぱりね~と言って謝らせることが狙い。
「それでも私は、本当のことしか言いません。それしか言えないからです。」
「お話になりませんね。帰っていいですよ。」
「井谷先生がそうおっしゃるなら、帰ります。」
こうして、話し合いは平行線で終わった。
「失礼しました。」
こっちは礼儀正しく言ってるのに、ババアは返事さえよこさない。
廊下に出れば、こちらを見ている女子の集団。
(渕上・・・!)
問題の女もいた。
ニヤニヤしながら、その輪の中で私を見ていた。
勝ち誇っている顔を、殴り飛ばしたくなる。
(テメーは自分の爪でも、ながめてやがれ!)
攻撃するのを無視して、腕時計を見る。
授業開始まで時間はあった。


