彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




駅まで行って、また戻ってきては、時間がかかる。




(井谷の話を聞いてからバックレたとしても、間に合うかな・・・?)




「凛が着替え終わるまでに、わしがあのヤンキーガールの足止めしたるで~?」

「うっ・・・」



正直、そうしてもらえれば助かる。




(助かるけど・・・出会って間もない相手を、こうも信用しすぎるのも~)




危なくないかと迷ったけど―――――――――





「凛、誤解解くなら、早い方がええで?『男』なら、迷ったらいかんで!?」

「『漢』、違いだけどね。」





正直、こうなったら破れかぶれ。




(簡単に信じちゃいけないのは、さっきのことで学習したけど・・・・)






「・・・・・・・・何度も、助けてくれたもんね・・・・」







彼は、私がどんな立場であっても助けてくれた。

良くしてくれた。

ちょっと変わってはいるけど・・・





(信じるのには十分な相手だよね・・・・?)



「うははは!なんか、ゆーたか?」

「・・・・・・・ううん、なんでもないよ。」






のん気な顔で聞き返してくる相手を、誤魔化しながら思う。






(新しくできた友達の言う通りよ。最初の友達を・・・・カンナさんを失いたくない。)





そして決断する。





「ごじゅうあらし君。」

「お!?決めたんか!?」

「君が・・・・ヤマトが、『僕』についてくるというなら、頼みがあるんだ。」

「お、やっとヤマト呼びやな!?ええで、ええで!なんでも言うてみー?」





私の言葉に手を叩いて喜ぶ関西男子。

軽いノリの答えに、大丈夫かと思いながら言った。





「あのね、カンナさんを―――――――――・・・・!」

「お!?それはええなぁ~そうきたかぁ~一本取られたで!うはははははは!」







小声で耳打ちする私に、五十嵐ヤマトが笑う。




誰もいない化学室で、新しい人間関係と、1つの取引が成立した。