ごじゅうあらし君のおかげで、私達は3年のヤンキー達から逃げれた。
「あれ、『渕上るのあ』のファンやねん。」
「ファン?」
人気のない化学室まで逃げ込んだところで、彼は教えてくれた。
「自分がルノアちゃんに好かれようと、菅原凛ちゅーネタを使って、良いプレゼントになるよう考えたんやろ。」
「そ、そうでしたか・・・」
(ネタにされたのか、私・・・・)
〔★プレゼントにされる側は迷惑だ★〕
「とはいえ、怪我がのうて、よかったわ~」
「は、はい!危ないところを、ありがとうございました。あなたには・・・また助けて頂きまして。」
「ええねん、ええねん!うはははは!困った時はお互い様やん。」
「でも・・・私にはもうかかわらない方がいいですよ?」
いつもより静かに笑う相手に、残念な事実を伝える。
「私・・・渕上さんに嫌われてしまっただけでなく、学校中からターゲットにされたいじめられっ子・・・。おもちゃが壊れるまで、私がダメになるまで、ひどいことをするというので・・・そんな私を助ければ、あなたもいじめられてしまいます。」
「え!?ホンマか!?」
「本当です。」
(やっぱり、知らないで助けてたのか・・・)
そんな気がしたので聞いた。
「あなた・・・もしかして、G組に転校してきた人じゃないですか?」
「あんれー!?よー知っとるな、自分!?わし、有名人!?うははは~」
「ははは・・・それは・・・いじめがはじまる直前に、あなたの話をしましたので・・・」
(思えば、飯塚アダム・・・!ホントのホントに、恩をあだで返しやがって・・・!!)
〔★怒りが蒸し返った★〕
恨めしい記憶を思い出していれば言われた。
「そうやねん!わし、1年G組の新入りで、『五十嵐大和(ごじゅうあらし やまと)』言うねん!クラスじゃ、『いがらし君』言われてんねんけどなー」
(言われなくても、知ってる。)
のどまで出かかった単語を飲み込む。
代りの言葉を選んで言った。
「そ、そうですか。できれば、間違いを修正した方がいいですよ?」
「ええねん、ええねん!それで?自分はいつ、仕返しをするんや?渕上一派に?」
「はあ!?仕返し!?」
とんでもないことを言いだす相手に聞き返す。
これに、ごじゅうあらしは、口元をニッと動かしながら言った。


