「急に大人しくなったなー?覚悟決めたのかよ?」
「ブスのくせに、アダルトデビューに興味あるのかー?」
「そうやってルノアにも、最初から頭下げてればいいんだよ!」
男達の手が伸びてくる。
(最初は正面の男。)
ぶっ飛ばす・・・!!
そう決めた瞬間だった。
バサッ!!
「うわっ!?なんだ!?」
(え!?)
突然、右側にいた男の顔に何かが覆いかぶさる。
目に映ったのは、見覚えのある黒い生地。
(学ラン!?)
「ま、前が、見えなー!?」
「どうしたオイ!?」
「なにがあった!?」
上着のせいで視界が遮断された仲間に、そのことを知らない男2人が視線を向ける。
その瞬間、
ゴス!!
バキッ!!
「がっ!?」
「うあ!?」
「ええ!?」
仲間の方を見た3年生2人が、突然倒れた。
見れば、完全に伸びている。
(今の攻撃・・・・一撃だった!?)
分析する間もなく、学ランを頭からかぶったままの3年が怒鳴る。
「お、おい!?なんだ、お前ら!?今の声――――――――ばあっ!?」
メキッ!という音がした。
「ぐ!?苦しっ・・・!?」
ゴト!
(えええ!?)
うめく声がしたと思えば、学ランで顔を隠されていた男も倒れた。
そいつも、他の2人同様、白目をむいてコンクリートの地面に寝転がっていた。
「うそ・・・・?」
理解できないぐらい、早い終結。
「どーなってるの?」
わかっているのは、目隠しに使われた学ランが、3年生の顔から離れたことぐらい。
「こっちや。」
ガシッ!
「へっ!?」
そう言われ、手をつかまれた。
「だっ・・・!?」
誰!?と聞きそうになって気付く。
「静かにしーや。こっちから下に降りるで。」
しーと言いながら、人差し指を唇にあてる男。
大きい体を丸めて、私を誘導するように引っ張る。
彼が肩に引っ掛けている学ランは、さっきの3年生の視界を奪ったものだとわかった。
そしてその正体も。
「あなたは・・・・!?」
「よぅ辛抱したの~自分?」
黒のオールバックをカチューシャで止め、黒のサングラスをかけた人物。
(ごじゅうあらし、やまと!?)
関西弁でそう言ってきたのは、前にも私を助けてくれた男子生徒だった。


