彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




弱いふりをする女に、怒りを我慢できなかった。




「ちょっと、ふざけないで渕上さん!猫を被るのも、いい加減にー」

「化けの皮がはがれたのはあなたでしょう、菅原。」

「井谷先生!?」




自分の背後の生徒をかばいながら、担任教師はため息をつく。






「あなたのことは、よくわかりました。これ以上、渕上さん達に何かしたら、一度ご両親にも来てもらいますからね?」

「なぜです、井谷先生!?どうして、信じてくれないんですか!?」

「こんなに証言もあるのに、被害者ぶるのはやめなさい。第一、本当に渕上さんが貴方を階段から落とさせたなら、今みたいに倒れかけたあなたを助けたり、かばったり、気遣ったりしますか?」

「それは演技です!」


「菅原ッ!!」



パァアン!




高い音と、怒鳴り声が痛かった。






「いい加減にしなさいっ!!」

「あっ・・・・!?」



(殴られた・・・・・?)





そう思った時、井谷先生はトドメの一言を言った。






「うちの学校では、不適切な生徒に対しては、体罰を行います!渕上さんとあなたは『立場が違う』んですよ、菅原っ!!」




みんなの前で怒られて、信じてもらえなくて、涙が目に浮かぶ。



「おい、あれ泣いてるんじゃないか?」

「よかったじゃん~不幸のヒロインになれて~」

「ルノアを悲しませた罪だよね~」

「最低女っ!」



そんな声に合わせ、痛みの後ろにいる女が笑う。

同時にその口が動く。






ばーか。




「っ!!」





悔しくて、悲しくて。

とにかく、泣くのを見られたくなくて、私は廊下を走った。






「逃げるな、菅原!あとで、生徒指導室に来なさい!!」





担任の声に合わせ、クスクスと笑う声が聞こえた。

そこから離れたはずなのに、笑い声が止まらない。

そして気づく。







(みんなが・・・笑ってる・・・・!?)



ワタシヲ、ワラッテイル・・・・!!




(-----瑞希お兄ちゃんっ・・・・!!)






ツラい時ほど、愛しくて優しい人が思い浮かぶ。






(終わったと思ったけど、違ってたよ、瑞希お兄ちゃん・・・!!)






被害妄想ではなく、目に映る痛い事実。

変えられない現実。


進化していた悪意。


私のいじめは、陰湿さを加えて続行していた。