彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)





立ち上がり接近して、殴ろうとしたけど・・・・





「なにしてるんですか!?」





響き渡る女の声。

それで思わず、振り上げそうになった手が止まった。

相手が誰か、わかっていた。





「井谷先生!?」

「なにしてるんですか、あなた達?菅原さんも、汚いですね?」

「え・・・?」





その言葉で顔が赤くなり、一部の女子が口を押えて笑う。





「何を騒いでるんですか、渕上さんも?」

「先生!私―――――――」

「菅原さん、今は渕上さんに聞いてるんですよ?誰があなたに聞きましたか?」




わけを話そうとすれば、きつい声で止められた。

その言葉が胸に刺さる。





「いいんです、井谷先生。」

「渕上、さん!?」



そう言った奴は、人の良い笑顔になっていた。

早い話、先生受けする作り顔。




「菅原さんが階段から落ちたので、保健室に運ぼうとしたんです。」


(なっ!?)


なに言ってんの、この女!?




(このごに及んで、まだ嘘をつこうって言うの!?)



冗談じゃない!



そうされる前に言った。




「うそです!渕上さんが命じた他の仲間に、突き飛ばされたんです!おむすびころりんとかいわれながら、転がされて――――――――!」

「はあ?おむすびころりん?」


「ぶっははははは!何言ってんだ、こいつー!?」

「被害妄想キツすぎー!」


「なっ!?」




途端に周囲から爆笑が起こる。




「井谷先生―!菅原さん、頭うってパ二くってるだけですよ~」

「そうそう!渕上さん、一番にかけ追って、助け起こしてあげたのに~」

「あら、そうなの?だから、あなた達、近い距離にいるのね。」




なぜか納得する先生に、焦りがつのる。




「違います、井谷先生!これは私から近付いて、助けられてもないです!」

「仮に、菅原さんが突き飛ばされて、渕上さんが主犯だとしても、被害者がわざわざ加害者に近づきますか?」

「なっ!?信じてくれないんですか・・・・!?」

「そう言ってるのは、あなただけじゃないですか?」

「っ・・・・!?」




ジロッと呆れながら言う先生に言葉を失った。