「これで問題はなくなり、仲直りもできましたね?みなさん、もう帰っていいですよ?」
「はい・・・くすん・・・ありがとうございます、井谷先生。」
「ありがとう、先生。菅原さんもごめんね?ほら、るのあ、帰ろう?」
「うん・・・ごめんなさい、菅原さん。」
難波さんに支えられながら、言う渕上さん。
「い、いいよ、いいよ!もういいから・・・そう言ってもらえて、私もよかったから・・・」
本当によかった。
どういう事情かわからないけど、これでいじめ問題は解決した。
(可児君の問題と合わせて片付くなんて・・・・ついてるよ。)
「じゃあ、先生・・・私たち帰ります。」
「ええ、気をつけてね、難波さん。渕上さんをよろしくね?」
「先生、あたしもいますよ~!?」
「鳥越さんもお願いします。菅原さんも、早く帰りなさい。」
「はい、井谷先生・・・・ありがとうございました。」
先に教務室を出ていく渕上さん達を見ながら、井谷先生にお礼を言う。
「先生のおかげで、いじめもなくなりました。ありがとうございます。」
「おおげさよ、菅原さん。離せばわかることですし、いじめだと大げさにしすぎですよ?」
「え?別に私は・・・」
「あそこまで渕上さんを泣かせて・・・あまり、大騒ぎしないようにしなさい。私にも、隠し事はしないように。」
「・・・・わかりました。」
井谷先生は、クセがある。
正しいことをしているけど、ちょっと・・・変。
「・・・失礼します。」
「はい、さようなら。」
テストの採点を始める先生にお辞儀し、彼女の机から離れる。
他の先生が私を見ているのが、居心地が悪い。
(あれだけ騒いだから注目もされるよね?)
そう思いながら、出入り口へと向かった時だった。
「痛っ!?」
突然、鋭い痛みが走った。
「え?どうしたの、菅原さん?」
私の悲鳴で、側にいた若い女の先生が声をかけてきた。
「そ、それが、急に痛みが・・・?」
そう説明してる間にも、ズキッと、太ももの辺りが痛い。
(何か当たってる・・・?)
ポケットに手を入れる。
入れていたのは、ハンカチとティッシュと――――――
(―――――お守り?)
手に当たったのは、烈司さんからもらったフクロウのお守りだった。


