(ここで怒れば、いじめがさらにエスカレートする・・・)
悔しいけど、絶えた。
ゴミをあてられた頬に手を伸ばせば、ざらざらとした感触が伝わる。
(カンナさん・・・・)
顔に貼っているシップ。
朝起きたら、腫れていて、驚く両親に手当てされた。
寝ぼけてぶつけたと言い訳したけど、原因はわかっている。
(カンナさんが、ぶった場所・・・・)
どうして、彼女に叩かれたかわからない。
何で怒ったのかわからない。
(普通に、出迎えてくれて、今まで通りだったのに・・・・)
おかしくなったのは―――――――
(龍星軍へのお誘いをした後だ・・・)
カンナさん達が、龍星軍になりたかったのは知っていた。
それを、私が奪ってしまったことに、罪悪感がある。
可児君へのいじめをやめさせるなら、元仲間が別のチームのメンバーになったと知れば、諦めて手を出さないと思ったから。
いじめっ子がやめさせないなら、いじめっ子に手を出せないようにすればいい。
(だから誘ったけど・・・・・・怒ってるのかな。)
あれから考えた。
カンナさんが怒った理由。
思い当たることと言えば、1つだけ。
(やっぱり・・・・・・一番の友達であるはずのカンナさんを、最初に誘わなかったから、怒ってるのかな・・・・?)
そう結論付けた時だった。
「菅原さん。」
「はい?」
誰かに呼ばれる。
振り返れば、担任の教師が立っている。
さすがに、先生の前ではみんな何もしないけど、ニヤニヤしながらこっちのやり取りに聞き耳を立てている。
「菅原さん、放課後、教員室に来なさい。」
「え?はい・・・」
「わかりましたね?」
「わかりました、井谷先生・・・」
それだけ伝えると、先生は行ってしまった。
立ち去る先生と教室の変な空気。
(・・・・・・・無神経。)
いなくなった先生に対して、そう思った。
「なにしたんだろう、ゴミ子?」
「ゴミあさってるのがばれたんじゃない?」
「先生に怒られる―!!」
そうやってからかわれるから、嫌な気分になるから。
声をかける場所を選んでほしかった。
(呼び出したのだって、私のいじめのことでしょう?だったらなおさら、考えてほしい・・・!)
こうして、嫌な気分で放課後を待つことになった。


