「お願い、カンナさん!龍星軍のメンバーになってもらえないかな?」





可児を龍星軍のメンバーにすると言った直後、カンナにまで龍星軍への参加を告げてきた。

カンナだけじゃない。




「ばっきゃろう!テメーカンナになんてことを!?」

「真面目なことですが?そうだ!よかったら、円城寺君も入ってくれませんか?」



(はあ!?俺も!?)



この俺まで、龍星軍のメンバーに誘ってきやがった。




(馬鹿にしやがって!!)




それが、聞いた直後の本音。

俺が頼みに頼んで、チャンスを得た龍星軍4代目の座をかけた戦い。

それを皇助さんの口添えがあったとはいえ、凛道が俺からその権利を奪った。

俺がなりたかった龍星軍の4代目総長になった。




(それがどれだけ、ムカついたことか・・・!?)




ぶっ殺してやりたいぐらい、憎かった。

龍星軍の総長の座も、瑞希さんからの寵愛も一身に受ける凛道蓮が憎い。

そんな俺の気持ちを知ってか知らずか・・・多分、わかってなかったと思う。

凛道蓮って奴は、ヤンキーらしくねぇ態度で、次々、ややこしい敵を倒していく。

挙句の果てには、男に厳しいカンナの信頼まで得ていた。

だから、龍星軍を一緒にしようってのも、幼稚園児が一緒に遊ぼうっていうノリで言ってきたんだと思った。

後先考えるより、やっぱりムカついた。

一言、文句を言ってやろうとしたんだが―――――――




「凛。」




俺より先に、カンナが声をかけた。




(この女!「仕方ねぇから、付き合ってやる♪」とか言うんじゃねぇだろうな!?)




不満はあるとはいえ、龍星軍は俺達の憧れ。

カンナがすると聞けば、秀と悠斗もやりたいと言いかねない。



(そうなりゃ、爆裂弾も消滅だろう!?)



そこら辺の線引きぐれーわからねぇのか!?



「カンナさん?」



のん気に名前を呼ぶ馬鹿に、カンナが近づいて行く。



(・・・なんだ、あいつ?)



妙にしおらしい。

大人しい。

静かすぎた。