ピクピクと痙攣(けいれん)しながら、動かなくなったボスに、全員が立ち尽くす。
無言になる。
なんちゃって、お葬式状態。
〈凛、今のうちに脱出だ!〉
「瑞希お兄ちゃん。」
そこへ、つながりっぱなしだった電話から声がする。
小声で、私の耳の中にささやく。
〈周りが動けねぇーうちに、不意打ちで逃げろ!〉
「あ、それもそうですね。」
その指令を受け、サッと可児へとしゃがむ。
そして、護身用に持たされていたナイフでスパッとロープを切った。
「おお!?凛道!?」
「行こう、可児。」
戸惑う可児君の腕を引っ張る。
そのまま、肩を貸したんだけど・・・・
「あっ!?ま、待て!」
「逃がすかよ!」
私達の動きで、周りの敵の金縛りが解けた。
「このまま、逃げれると思うなよ!」
「―――――――思ってません。」
襲ってきたので、襲われる前に殴り飛ばした。
バキッ!
「ぎゃ!?」
続けざまに、数人を殴りつけた。
ドスドスドス!
「う!?」
「が!?」
「あが!」
こいつらにも綺麗に攻撃が入り、床へと倒れていった。
「きゃああ!誰か~!」
「いや、助けて~!」
「き、菊ちゃん!しっかり~!」
それを見て、ヤンキーとキャバ嬢の中間みたいな女の子達が叫ぶ。
キッチンや部屋の隅に逃げたり、失神している蛇塚に駆け寄る。
その様子に、ごめんね~と思いながら言った。
「オラぁ!!どかねぇーと、ブッ殺すぞっ!!?」
人生初の巻き舌。
戦いを挑んでくる奴を蹴りながら言えば、何人かの動きが止まる。
「ひっ!?」
「きゃ!?」
「う、わっ!?」
それで、行きたい方向へと道が出来た。
「来い、可児!」
ホッとしつつも、可児君を呼ぶ。
漢らしく、あえて百鬼をイメージしながら怒鳴る。
「あ、お、まっ・・・!?」
これに声にならない声を漏らすハゲ君。
敵の1人を殴り飛ばしながら、私へと振り返る。
その手をもう一度引っ張り、乱暴に戸を開けて閉める。
外でかかっている音楽のおかげで、ドアの開け閉めの音は響かなかった。


