「き、菊ちゃんのグラス・・・割られたの。」
「はあ!!?」
「わっ・・・!?」
バカでかい声に、思わず耳をふさぐ。
鬼のような顔で、蛇塚が低く怒鳴った。
「俺の・・・・『バカラ』を壊しただと!?」
(バカラ?)
「え?もしかして・・・・ルイ15世の許可を受けて創設されて、世界中の王侯貴族に愛されてるあのグラスブランドですか?」
「お!?お前わかるのか!?マジか~!なかなかやるじゃねぇか!?」
「え!?ええ、まぁ・・・」
〔★正解だった★〕
それで鬼から仏のような顔になる蛇塚。
そして、私の頭をナデナデしながら言った。
「よしよし、将来有望だな、坊主!とりあえず、俺の側近てことで、親衛隊な。」
「え!?勝手に決められた!?」
「そうなんだよ、俺のお気に入りはバカラ~♪それを咲子!割っただと!?」
「違うよ!あたしじゃないよ!?てっちゃん達が連れて来たやつが――――――!」
「ほぉ。」
そこで、蛇塚の手が止まった。
思わず見れば、今度は無表情になっていた。
ハッキリ言って、
(ヤバい・・・・?)
その予感は的中した。
「咲子、見張りにつけて奴らは?」
「あ、う・・・キッチンで、まだ・・・」
「呼んで来い。」
「は、はい!」
ものすごい勢いで、彼女はキッチンの中に入る。
程なくして、男2人が、なにかを抱えてやってきた。
(あ!?こいつら・・・・)
見たことがあった。
「トト、キー助、なにしてた?」
「す、すまねぇ、蛇塚君!」
「気絶してると思ってたら、起きてて・・・!」
「そうじゃねぇ。」
言い訳をしている彼らに、蛇塚は言う。
「俺は、2人で見張ってろって言っただろう?まさか、2人そろって便所なわけないよな?ツレションしたのか?」
「い、いや・・・」
「交代で~」
「俺が見てろって言ったら、漏らしてでも交代まで見てろっ―――――――――――!!」
ガッシャーン!
机がひっくり返る。
(ええ!?巨人の星!?)
〔★ジャンルが違う★〕
舞う机に気を取られてみてなかった。
「ぐえ!」
「ぐああ!?」
「あ。」
気づいた時には、見張り役の男2人は床に倒れていた。
そんな彼らのお腹に蹴りを入れながら蛇塚はわめく。


