彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




「き、菊ちゃんのグラス・・・割られたの。」

「はあ!!?」

「わっ・・・!?」



バカでかい声に、思わず耳をふさぐ。

鬼のような顔で、蛇塚が低く怒鳴った。




「俺の・・・・『バカラ』を壊しただと!?」


(バカラ?)

「え?もしかして・・・・ルイ15世の許可を受けて創設されて、世界中の王侯貴族に愛されてるあのグラスブランドですか?」


「お!?お前わかるのか!?マジか~!なかなかやるじゃねぇか!?」

「え!?ええ、まぁ・・・」



〔★正解だった★〕




それで鬼から仏のような顔になる蛇塚。

そして、私の頭をナデナデしながら言った。



「よしよし、将来有望だな、坊主!とりあえず、俺の側近てことで、親衛隊な。」

「え!?勝手に決められた!?」

「そうなんだよ、俺のお気に入りはバカラ~♪それを咲子!割っただと!?」

「違うよ!あたしじゃないよ!?てっちゃん達が連れて来たやつが――――――!」


「ほぉ。」



そこで、蛇塚の手が止まった。

思わず見れば、今度は無表情になっていた。

ハッキリ言って、



(ヤバい・・・・?)



その予感は的中した。



「咲子、見張りにつけて奴らは?」

「あ、う・・・キッチンで、まだ・・・」

「呼んで来い。」

「は、はい!」



ものすごい勢いで、彼女はキッチンの中に入る。

程なくして、男2人が、なにかを抱えてやってきた。





(あ!?こいつら・・・・)





見たことがあった。



「トト、キー助、なにしてた?」

「す、すまねぇ、蛇塚君!」

「気絶してると思ってたら、起きてて・・・!」


「そうじゃねぇ。」



言い訳をしている彼らに、蛇塚は言う。



「俺は、2人で見張ってろって言っただろう?まさか、2人そろって便所なわけないよな?ツレションしたのか?」

「い、いや・・・」

「交代で~」


「俺が見てろって言ったら、漏らしてでも交代まで見てろっ―――――――――――!!」



ガッシャーン!


机がひっくり返る。



(ええ!?巨人の星!?)




〔★ジャンルが違う★〕




舞う机に気を取られてみてなかった。




「ぐえ!」

「ぐああ!?」



「あ。」





気づいた時には、見張り役の男2人は床に倒れていた。

そんな彼らのお腹に蹴りを入れながら蛇塚はわめく。