つまみながら見ていれば、感心したように瑞希お兄ちゃんも言う。
「凛、どうしたこれ?シャツのガラじゃないよなー?」
「はい、洗濯したばかりなのに・・・」
「多分、凛たんとぶつかった時についた可児の血だ。」
「え!?彼の!?」
「急いでる時は、そいつが使ってる物や、衣類、体液とか、目印になる。」
そう言いながら、つまんでいた私の服を掴む。
グイッと引っ張られ、烈司さんとの距離が近くなる。
「れ、烈司さー」
「はい、静かに。検索はじめまぁ~す。」
その言葉で、慌てて口を閉じる。
同時に、瑞希お兄ちゃん達も静かになる。
それを待っていたかのように、烈司さんがつぶやいた。
「スタート。」
低く、落ち着きのある声。
(え?)
目の錯覚だろうか。
一瞬、烈司さんの目が光ったように見えた。
ピカピカじゃなくて、ぼんやりとするような光。
目をこすってみるが、もう普通の目をしてる。
でも、彼の動きは普通じゃない。
地図の上にかざしてある手が、なにかをたどるように動いてる。
「・・・・凛たんの別れた場所から、南に車で移動してる。」
「伊織。」
「わかってる。」
瑞希お兄ちゃんの合図で、獅子島さんがメモを取り始める。
「拉致の実行人数は、8人・・・。平均年齢10代で・・・・ああ、はいはい、そう。」
(なにが!?)
1人で納得する烈司さんに戸惑う。
(てか、人数までわかるの!?)
「これ、さらったのはSHIELDじゃないな。」
「え!?」
「SHIELDじゃない?」
驚く私と、聞き返す瑞希お兄ちゃん。
地図を見たまま、烈司さんが告げる。
「狩ったのは、SHIELDで間違いねぇーけど、車運転してんのは蛇の目のメンバーだな。」
「蛇の目?」
聞き覚えのある名前。
「あ!?飛翔連合の外様組ですか!?」
(私を狙ってる不良集団!?)
「凛たん正解。」
「嬉しくないけど、ありがとうございます。」
「おい、烈司・・・・細かく探れっか?」
「あ~~~~~・・・・・イケそうなイケなさそうなぁー・・・・」
瑞希お兄ちゃんの問いに、私のシャツを握る力が強くなる。
一瞬、険しい顔をしてから烈司さんは言った。


