「可哀想な奴を、みんな助けられるわけじゃない。成功したとしても、誤解もされることの方が多い。凛はそんなつもりなくても、助けてやったって、上から目線に取られることもある。」
「そんな!僕はそんなつもりは!」
「ないって、俺はわかってる。けどな、仮に凛が可児を助けたとして、その後はどうすんだ?」
「どうって・・・」
「凛は最後まで、可児の面倒を見れるか?今の状態で、世話できるのかよ?」
「それは・・・」
「出来ないなら、最初から手を出しちゃいけねぇー・・・中途半端に助けることが、一番ひどいことだからな?」
それで何も言えなくなる。
彼の言っていることは、正しかったから。
(今の私には、余裕がない・・・)
私は、凛道蓮であると同時に、菅原凛でもある。
(ただでさえ、いじめっ子になって、『菅原凛』として学校生活が困難している。そんな『凛』の唯一の癒しの時間である『凛道蓮』タイムを、瑞希お兄ちゃん以外に使うのは嫌。)
すごく嫌。
嫌だけど・・・・
―ゴミ女!―
嫌だった・・・
(可児君は今、変な理由で暴力を受けてる。)
私と同じ、理不尽ないじめを受けている。
(友達がいなくなることだけでも、辛かったのに・・・・)
やられたことを思い出す。
(何も悪いことしてないのに、いきなりみんなからいじめられた。)
物を隠され、暴力を振るわれ、無視された。
(誰も、助けてくれない・・・)
それでも、助かる方法を探してる。
いじめられる環境を変えるため、やれることをやっている。
私の場合、まだなんとかなる望みはあるかもしれない。
助かる手段はあると思う。
(でも、可児君は?)
今の可児君は、どうなのだろう?


