重大なことを思い出し、言葉が止まる。
「瑞希じゃなくて、なんで俺?」
「あうう!それは・・・・!」
次のセリフが見つからない。
(どうしよう!このまま会話を止めれば、不審に思われる!)
〔★十分、あやしい★〕
その延長で、女の子ってバレたらどうしよぅぅうう!?
でも、可児君可哀想になってたしぃぃぃ!
考えろ、私!
どうする!?
〔★凛は追い込まれている★〕
時間にしては、3秒。
考えをめぐらせて、再びハッとする。
(はっ!そういえば、この人私の鼻にチューしたんだった!)
〔★関係ない記憶がよみがえった★〕
普通、初めて会った子に鼻チューする!?
鼻とかどうなのよ!?
いくら『凛道蓮』でお世話になってるとはいえ、『菅原凛』に鼻チューはダメでしょう!?
(瑞希お兄ちゃんを差し置いて!)
〔★どういう文句だ★〕
思い出してムカムカしてきたけど、ひとまず落ち着く。
その間、5秒。
(『勘が良い』のは事実だから、その点を強調すればいいわ!)
冷静に聞けば、そんな理由で!?と言われそうだけど、そんなこと言ってられない。
キッと相手を見ながら、強めに言った。
「だから―――――――烈司さん、『勘』が鋭いでしょう!?」
「あ?そんな理由で?」
「そうですよ!あんなに、的中させたんです!僕らが探すよりも、良い気がするんです・・・!」
「そうか?」
「せや、せや!」
「僕の初集会の時でも、神業的にいろいろあてたじゃないですか!?なによりも、元ヤンということでヤンキー世界には詳しいでしょう?」
「そりゃそうだが。」
「せや、せや!」
「でしたら、心当たりのありそうなアジトを勘であてて頂ければと思ったんです!」
「当ててくれって言われてもな~」
「せや、せや!男なら、ええとこみせな!」
「烈司さん!お願いします!前途ある不良少年のためにも、あなたの力が必要なんです!」
「うーん、凛たんの気持ちはわかるが~・・・」
「誰だ、そいつは?」
腕組みした烈司さんの隣で、ドスのきいた声を出す大好きな人。
「え!?瑞希お兄ちゃん!?どうしたんですか、そんなテノールな声を出して・・・!?」
「せや、せや!男子っぽい子やけどな!」
「誰が女だこの関西男―――――!?凛っ!さっきから、会話に乱入してるそいつはどこのどいつだ!?」
「え?」
「そうだぜ、凛たん。気になって会話になんねぇーわ。」
〔★ごもっともな意見だ★〕


