彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




力の抜けた体で、目で、携帯を見つめる。




「・・・ははは。瑞希お兄ちゃんすごいな。」


(声で・・・・)


声だけで。


(顔は見ていないのに・・・。)


声だけで。




「私の『声』を聞いただけで、いつもと違うってわかるんだ・・・」





お母さんも、お父さんも、私の『声』を聞いたって何も言わなかったのに・・・。




「毎日・・・・一緒にいないのに、瑞希お兄ちゃんには、わかっちゃうんだ・・・?」



笑っちゃう。

笑える。




「あは・・・・!あはははは!」




軽く声を出して、笑う。




コンコン!



「凛、なに楽しそうにしてるの?宿題は終わった~?」

「あははは!宿題がやっっっっと!終わったから笑ってるんだよぉ~もう寝るから、声かけちゃやだよー?おやっすみ~!」

「あらあら、はいはい。おやすみ、凛。」

「おい、凛はどうしたんだ?楽しそうにしてるが・・・・?」

「宿題が終わってホッとしたみたい。年頃ね~」

「だから、嬉しそうにしてたのか。」




違う。




「ふふふ・・・!」


違うのに。



「ふっ・・・・!」



楽しくない。

嬉しくない。





(瑞希お兄ちゃんとの電話の後なのに―――――――――)


「なんで・・・・?」





どうしてだろう。





(なんで、涙が止まらないの・・・・!?)





落ちる涙と、ぬれる携帯。



どうして私は、泣いているのだろう?

なぜ、胸がいたくなってるだろう?

恋する胸の痛みとは違う、するどさと痛み。

涙の意味をわかっているのに、わかりたくない。

わかるのはただ一つ。





「瑞希お兄ちゃん・・・・!」





真田瑞希様、私は、あなたの言葉が嬉しかった。