彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




〈俺の方が遅くなるかもしれねぇーけど、待っててくれ。ちゃんと帰るから。〉

「はい!お待ちしてます!」

〈よいよし!今日はみんな、家にいるからよ~一人ぼっちで待つことはないと思うぜ。〉

「え?他の皆さんもいるんですか?」


(珍しい。全員勢揃いなんて。)


〈そういうこと!あいつらにも、声かけてやってくれ。事情を知らないモニカ辺りが、寂しがってるからな~〉

「わかりました。ご挨拶します。」

〈そうしてくれ。じゃあ、あとでな、凛?〉

「はい!」

〈あ、そうだ!凛さ~〉



ふいに相手が言葉を濁す。



「どうしました?」

〈いや・・・〉



めずらしく、言うのをためらっている。





「瑞希お兄ちゃん?」


〈凛さ・・・なにかあったか?〉

「え?」



なにかあったかって・・・?





〈なんか・・・最初に声聞いた時、凹んでる気がしたからさー・・・親と喧嘩でもしたか?嫌なことでもあったか?〉

「っ――――――――!?」




嫌なことでも・・・・?




その言葉に、違った意味で、胸を射ぬかれる。




(なにかって・・・)



―ゴミ女―




「あ・・・」




あった。

嫌なことが。

ヒドイことが―――――――――







「ありません。」





真実を飲み込む。





「瑞希お兄ちゃんがおっしゃったようなことは、ありませんよ。」





親に嫌なことはされてない。

同級生に嫌なことはされた。



そこだけ、否定せずに答えた。

嘘にならないように伝えた。




〈本当か?〉

「本当ですよ?」




強い口調で聞かれる。

それに優しく返事を返す。




〈・・・そうか。凛がそう言うならそれでいい。けど、忘れるな。俺は、凛の味方でいるつもりだ。辛くなったは、いつでも言えばいいからな?〉

「・・・・・・・ありがとうございます。」




優しい言葉にお礼を言う。





〈今夜来いよ、凛。じゃあな。〉

「うん、またね。瑞希お兄ちゃん。」





最後は普通に話して、電話を切った。

通話画面が光り、どれだけ話していたか表示される。

わずか数分のやり取り。