「おーい、自分いけるかー?」
「くっ・・・くそっ・・・」
生きた死体が積み重なる公園、のん気な調子で可児君を気遣う人物。
「あらら~えらい血がついて・・・しみぬきしんどいでー?」
「う、うるせぇ・・・・!」
(やっぱりそうだ、あの人・・・・)
防犯ブザーを握りしめたまま見ていたら、相手がこちらを見た。
「お姉ちゃん!もうええでーブザーとめてや~?」
「あ!?は、はい!」
急いで、留め具を押し込んで止めた。
そう指示してきた相手を見ながら思う。
間違いない、この人!
(学校の場所を聞いて、学校で私の教科書を拾ってくれた親切な人だ・・・・!)
絶対そうよ!
あのサングラス、見まちがえるはずはない!
〔★そこじゃないだろう★〕
確信する私の前で、流ちょうな関西弁を操りだしながら男は言う。
「兄ちゃん、肩貸したるわー!つかまり!」
「いらねぇよ!・・・よけいなことするな・・・!」
「はあー!?ツンデレか、自分!?そんな中途半端なことしたら、あの子に悪いやろう?」
「へ?」
そう言いながら、私を指さすグラサン。
「あの子がブザー鳴らさへんかったら、わしもここまで来てへんでー!?」
それで可児君も私を見る。
慌てて顔を下に下げた。
「・・・・なんで、助けた・・・・?」
責めるような言い方で、話しかけられた。
(もぉ~声かけんなよぉ~!声でばれるかもしれないのにー!)
そう思いつつも、ここでシカトするのは良くないと思ったので言った。
ワントーン高い声で。
「み・・・見てられなかったからです・・・・」
「見ないように、通り過ぎればよかっただろう?」
(まだ引っ張るの!?)
助かったんだから、それでいいじゃない?
女の子に助けられてのが、不満だとでもいうの!?
(しゃべると、ばれるかもしれないから嫌なのに~!)
声出させるなって言ってんのに、なぜ質問をする!?
〔★言ってはいない★〕


