彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)





「さてと・・・」



キャップ帽子をかぶり直しながら、瑞希お兄ちゃんがつぶやく。




「いつまでも、ここにいたらダメだ。送ってくわ。」

「え!?い、いいです・・・!」




慌てて、顔を下に向けながら断る。



「念のためだよ。『渕上のるあ』らしい小娘の話は、俺も聞いたことある。」

「『るのあ』です・・・」

「え?まぁ、どっちでもいいじゃんか!その片淵が、待ち伏せしてるかもしれねぇーからさ?」

「あの、渕上です。」

「はははは!じゃあ、送ろうか?」


(あれ?スルー?)



〔★瑞希は修正することをやめた★〕




「片淵だか、るるあだかしらねぇーが、集団で良い気になってる奴は気に入らねぇ。特に、人を見た目で判断する奴はだ・・・・!!」


(見た目・・・)




笑顔で怒っている瑞希お兄ちゃんを見て思う。



やっぱり、女の子扱いされたのが、そうとう嫌だったのかな・・・と。




〔★完全にそうだ★〕





「ほら、いじめっ子のことは忘れて、自分のことだ。ほら、家はどこ?」

「い、いえ!本当にいいんです・・・!」



気を取り直しながら言う瑞希お兄ちゃんに、何度も首を横に振る。

嬉しかったけど、こっちはバレないかと内心冷や冷やしてる。




「助けて頂いただけで、十分です!だから、私のことはもう・・・」



下を向いたまま、手を大きく横に振ったら―――――――






ズキン!


「うっ!?」






腰へ、にぶい痛みが走った。

思わず、痛みがした場所を抑える。



「おい!?どうしたんだ!?」

「ちょ、ちょっと急に・・・」

「あ!?そういや、あいつらに踏まれてたな!?」

「それも見てたんですか!?」

「見えたんだって!あ、よく見れば、顔も・・・ちょっと腫れてるな?」



スっと頬に手を添えられる。




(だ、だめ!ふりほどかないと~!)



「あれ?彼女、なんか・・・・・」

「っ・・・・!」




息のかかる距離まで瑞希お兄ちゃんの顔が来る。

悩ましい顔に、見惚れてしまう。

逃げることができない。



〔★瑞希の目力、凛は金縛りになった★〕