彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




ホッと胸をなでおろす私の側で、瑞希お兄ちゃん達の会話は進む。



「すまねぇな、高千穂。完全に任せちまって・・・・今度、なんかおごってやるから。」

「あははは!気にしないでくださいよ~真田先輩の頼みなら、喜んでしますから!」

「ありがとな。高千穂こそ、遠慮すんなよ?なんかあれば言えよ?」

「そんじゃ~モニカが先輩派遣してください!日焼け止め探してんすけど、どれがいいか迷ってんすよ~」

「ははは!日焼け止めか~?高千穂も女子だな~?わかった、言っておく。」

「あざーす!じゃあそういうことで、決まりっすね!」



取引成立に、カンナさんが嬉しそうに笑う。



「そんじゃ、あたし行きますけど、きーつけて下さいよ!?」

「わかってる。カンナも、気をつけろよ。」

「転んだら起きますって!おい、そっちのお前!」


「え!?」


(私!?)




私を見ながらカンナさんが言う。



「お前、渕上にいじめられてんだったら、先公じゃなくて、あたしのところに言って来いよ!」

「え?」

「あたしは、高千穂カンナ!東山高にいるから、いつでも泣きついてきな!」

(カンナさん・・・)




男前なハンサムガールに、胸が熱くなる。





「あ、ありがとうございます、高千穂さん・・・・!」





彼女の気遣いに、うつむいて板をさらに下に下げながらお礼を言う。

声のトーンも私とわからないように高めに発する。





「ばーか、泣くなよ?」





ふいに、聞える声が近くなったと思えば、ポンと頭に手を置かれる。





「元気出せよ、学生!またな?」





私の頭をナデナデしてから離れた。




「あ・・・・。」




顔を上げた時、彼女の後姿が見えた。

それが見えなくなった時、大きなバイクの音が響いて消えていく。

バイクで立ち去ったのだとわかった時、私は瑞希お兄ちゃんと2人きりだった。