彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




渕上達を前にして考える。




(まさかとは思うけど・・・先生に言った腹いせに、私をまたいじめる気かしら・・・?)




そうだろうな、そうとしか思えないよ、この状況・・・

そうでなければ、牧羊犬のように、仲間を使って私を追い込まないでしょう!?





(最悪の場合、私も護身術で対応するとして・・・・)


この状況、どうする?



(渕上は、どうする気なの?)





ドキドキしながら、『敵』の出方を待つ。

これに渕上は、自分の指へと視線を落としながら言った。





「お前さ、馬鹿だろう?」

「賢い方じゃないですね・・・」


「うわ、生意気!」

「フッチー、あたしが、しめてやろうか?」




そう言いながら、私を包囲していくヤンキー女達。




(同じヤンキーでも、カンナさんと大違い。)




カンナさんは筋が通ってる感じで、キレイ。

でもこいつらは、偉そうな声でしゃべるだけで、外側だけ上塗りしてるみたいで汚い。



〔★凛は酷評(こくひょう)している★〕




カバンを抱きしめ、渕上を見れば、ネイルされた自分の指を見ながら言う。




「わざわざ、あたしまで、仮病で早退してお前を追いかけてきてやったのよ~?あたしの親切に感謝してほしいね。」

「いじめをやめてくれたら、感謝しますけど・・・」



「こいつ!」

「殺すぞ!?」

「いいよ、シラっち、スーちゃん。」





勝手にキレる仲間を声1つでなだめると、爪の先を気にするように触りながらしゃべる。



「言っとくけど、お前が井谷になんか言っても無駄よー?どの『先生』に言おうが、誰も味方しないからさ。」

「?どういうことです?」

「あんたの家、貧乏でしょう?」

「びっ!?」


貧乏はないだろう!?



「そんなことないです!一般家庭並みの収入です!」

「やっぱ、あたしよりも貧乏じゃん?」





ふっ!と爪に息を吐きながら渕上は言う。



「あたしの親、あたしのためなら、いくらでも金払うの。その金で、あゆみが丘学園の外装工事をして、グラウンド整備をして、新しい楽器や武具も買えたの。」

「え?そうだったんですか?すごいですね~」

「ふふ!それだけお金を寄付する生徒と、なんの得もない生徒・・・理事長、校長を含めた先生方は、どっちを大事にすると思う?」

「え?」





感心して気づく。

相手が何を言おうとしてるか。






(こいつ・・・自分は寄付金を渡してるから、なにしても許されるって言いたいの!?)




「それ、寄付の意味が違うと思います。」



〔★はっきり言ってワイロだ★〕