渕上達を前にして考える。
(まさかとは思うけど・・・先生に言った腹いせに、私をまたいじめる気かしら・・・?)
そうだろうな、そうとしか思えないよ、この状況・・・
そうでなければ、牧羊犬のように、仲間を使って私を追い込まないでしょう!?
(最悪の場合、私も護身術で対応するとして・・・・)
この状況、どうする?
(渕上は、どうする気なの?)
ドキドキしながら、『敵』の出方を待つ。
これに渕上は、自分の指へと視線を落としながら言った。
「お前さ、馬鹿だろう?」
「賢い方じゃないですね・・・」
「うわ、生意気!」
「フッチー、あたしが、しめてやろうか?」
そう言いながら、私を包囲していくヤンキー女達。
(同じヤンキーでも、カンナさんと大違い。)
カンナさんは筋が通ってる感じで、キレイ。
でもこいつらは、偉そうな声でしゃべるだけで、外側だけ上塗りしてるみたいで汚い。
〔★凛は酷評(こくひょう)している★〕
カバンを抱きしめ、渕上を見れば、ネイルされた自分の指を見ながら言う。
「わざわざ、あたしまで、仮病で早退してお前を追いかけてきてやったのよ~?あたしの親切に感謝してほしいね。」
「いじめをやめてくれたら、感謝しますけど・・・」
「こいつ!」
「殺すぞ!?」
「いいよ、シラっち、スーちゃん。」
勝手にキレる仲間を声1つでなだめると、爪の先を気にするように触りながらしゃべる。
「言っとくけど、お前が井谷になんか言っても無駄よー?どの『先生』に言おうが、誰も味方しないからさ。」
「?どういうことです?」
「あんたの家、貧乏でしょう?」
「びっ!?」
貧乏はないだろう!?
「そんなことないです!一般家庭並みの収入です!」
「やっぱ、あたしよりも貧乏じゃん?」
ふっ!と爪に息を吐きながら渕上は言う。
「あたしの親、あたしのためなら、いくらでも金払うの。その金で、あゆみが丘学園の外装工事をして、グラウンド整備をして、新しい楽器や武具も買えたの。」
「え?そうだったんですか?すごいですね~」
「ふふ!それだけお金を寄付する生徒と、なんの得もない生徒・・・理事長、校長を含めた先生方は、どっちを大事にすると思う?」
「え?」
感心して気づく。
相手が何を言おうとしてるか。
(こいつ・・・自分は寄付金を渡してるから、なにしても許されるって言いたいの!?)
「それ、寄付の意味が違うと思います。」
〔★はっきり言ってワイロだ★〕


