(瑞希お兄ちゃんと電話できたじゃない!?声も聞けた!悪いことばっかりじゃない!)
―おーい、大丈夫か、じぶーん?―
「そうだよ・・・いい人にも出会えた。」
私の教科書を拾って、その汚れを落として渡してくれていた。
何も言わなかったけど、あれはー・・・
「そういえば・・・・何も言われなかったな・・・?」
会うのは2度目のはずなのに、あの子は何も言わなかった。
(『また会ったね』とか、『道教えてくれた人だね』とも言わず・・・)
―道徳の教科書は~―
(・・・なんて言ってた。)
「もしかして・・・・。」
サングラスの関西弁の人・・・
(私のこと、覚えてない・・・・・・・・?)
可能性は、あるかもしれない。
それと同時に、彼に対して1つの予測が立っていた。
(まさか・・・彼が――――――――――)
そう考えた時、真っ暗だった視界が明るくなる。
「あ!?」
気づけば、出口まだあと少しだった。
(よかった!この先は、人気のパン屋さんの駐車場。そこを出て、街の方へ向かえば、人混みに隠れることができる。)
「もう追ってこれない!」
ホッとしながら、最後の一歩を踏み出す。
「どこ行くんだよ~!?」
「えっ!?」
小道から出た瞬間、きつい香水の香りがした。
同時に、行く手を遮られていることに気づく。
「あ・・・あなたは!?」
「お前、意外と生意気だよな・・・・!?」
(渕上月乃亜!?)
私をいじめると宣言した、美人ヤンキー。
総長もしているという女が目の前にいた。
「な・・・なにしてるんですか?」
「お前、井谷にチクッたな?」
その言葉で、嫌な予感がした。
(先生、もう言ったんだ。)
〔★仕事が早すぎた★〕
それはそれで、構わないのだけど・・・・
「るのあ~このダサ坊どうすんのー?」
「ブスじゃん?」
「地味だね。」
うちの学校ではない制服を着た女子を数人連れていた。
(なんか、見覚えがあるんだけど・・・・?)
「手間かけさせやがって、テメー!」
「走らせてんじゃねぇーぞ、ブス!」
あ、間違いない。
私を追いかけてきた、おかしな日本語を話す人達だ。
(てか、渕上と一緒にいるということは・・・・もしかして、仲間・・・・?)
〔★仲間でしかない★〕


