彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




後ろを振り返る。

誰も追ってきてないと、確かめてから立ち止まる。




「はぁあぁ~・・・・・!もう、どうしたらいいのよ・・・・」


(地味で真面目ではあったけど、まさか、いじめのターゲットにされるなんて・・・)



「ううっ!つらいよぉ~瑞希お兄ちゃん・・・・!」



少し前まで友達だったのに!

仲良くやっていたつもりなのに!

全部、うわべだけだったの・・・!?





「・・・いや、私もそうだったかも・・・・」





考え直して思う。





(私も・・・親が決めた学校に行くことを義務にして、自分に合いそうな無難な人を選んでいた・・・・)


「友達になろうと思って、なったわけじゃなかった・・・・」





だから、あっさり裏切られたのだろう。





(きっと、彼女達も・・・)



「私と同じ気持ちだったから、切り捨てられたのかもしれない・・・・」





涙が頬を伝う。




「むなしい・・・・」




ただ、ただ、むなしい。




(たった数か月とはいえ、そんな人間関係しかできなかった自分が、恥ずかしい・・・!)




悲しくなる。





「私・・・・なにしてるんだろう・・・・!?」




情けなく。

ゆっくりと、ヨロヨロと歩き出す。



「ひっく、ひっく!」



みじめに、薄暗い場所で泣いている自分。





(こんな姿、瑞希お兄ちゃんに見られでもしたら・・・・!!)






―「もう大丈夫。」―







「・・・っ!?」





トクンと、胸が高鳴る。

頭に浮かぶのは、龍星軍の特攻服を着た優しいお兄ちゃん。

おいでと言って、私を抱きしめてくれた瑞希お兄ちゃんの姿。

泣き止むまで、静かに温めてくれた思い出。





「・・・・頑張ろう。」


まだ、負けたわけじゃない。




「先生には相談できた。話を聞いてくれる人はまだいる・・・!」


(まだ私は、戦ってる途中!投げ出しちゃダメだよ・・・!)





しっかりして、凛!

あなたは、『菅原凛』だけど、菅原凛だけじゃない!

『龍星軍の凛道蓮』でもあるのよ!?





(『凛道蓮』は、こんなことぐらいで、降参なんかしないよっ!)





自然と速くなる足。

落ち込んでいた気分も、上向きになる。