歩くたびに、じんわりと、靴についていた汁が靴下にしみ込む。
気持ちが悪いと思いながら、にぎやかな教室へ入った。
(どうしよう・・・だれに、誰かに・・・・)
話さないと。
「マキちゃん、夏美ちゃん。」
仲良くしてる友達の元へ駆け寄る。
「お、おはよう、マキちゃん、夏美ちゃん!」
「そうだね・・・このお店、可愛いね、夏美ちゃん。」
「私は、この雑貨が気になってて、マキちゃんはどう思う?」
話し込んでいる2人に声をかける。
「あの、ね・・・・私、今日、学校に来たら、上履きがなくて・・・」
「じゃあ、今度一緒に行ってみようか、夏美ちゃん?」
「いいね、マキちゃん!他の子も誘って行こう。」
「上履きがね・・・」
「絶対に、これ買わなきゃ。限定だもんね。」
「他にも、映画見たいよね~」
「・・・?」
あれ?
なにかが、おかしい?
「マキちゃん、夏美ちゃん?」
名前を呼んでも答えてくれない。
「楽しみだねぇ~」
「ずっと、勉強ばっかりだったからね~」
「ねぇ、聞いてる?」
話しかけても答えてくれない。
「どうしたの・・・?冗談はやめてよ・・・?」
戸惑いつつも、手を伸ばす。
「マキちゃん?」
彼女の肩に手を置いたら――――――――
「ううんっ!」
「きゃっ!?」
咳払いでもするように唸ると、手を振りほどかれた。
「マキちゃん!?」
(なんで!?)
なんで、そんな冗談をするの?
「な、夏美ちゃん!マキちゃんはどうして・・・・!?」
同じように用に手を伸ばす。
「触らないで。」
「え?」
こちらを見ることなく、言われた。
初めて聞く冷たい声。
「夏美ちゃん?なにが――――?」
「なんのようですか?」
「ようって・・・私、なにかした?どうして、急に?」
「夏美ちゃん、なんか変な声聞こえるね?なんだろうな?」
「知らない。上履きがって言ってたけど、空耳かな?」
「2人ともどうしたの!?どうしちゃったの?」
「どうしたんだろうねー?」
「上履き、どうしたんだろうね?」
その言葉で、やっと私を見た。
冷たい目。
さげすまれている意味が、わからない。


