彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




歩くたびに、じんわりと、靴についていた汁が靴下にしみ込む。

気持ちが悪いと思いながら、にぎやかな教室へ入った。




(どうしよう・・・だれに、誰かに・・・・)




話さないと。




「マキちゃん、夏美ちゃん。」




仲良くしてる友達の元へ駆け寄る。



「お、おはよう、マキちゃん、夏美ちゃん!」

「そうだね・・・このお店、可愛いね、夏美ちゃん。」

「私は、この雑貨が気になってて、マキちゃんはどう思う?」



話し込んでいる2人に声をかける。



「あの、ね・・・・私、今日、学校に来たら、上履きがなくて・・・」

「じゃあ、今度一緒に行ってみようか、夏美ちゃん?」

「いいね、マキちゃん!他の子も誘って行こう。」

「上履きがね・・・」

「絶対に、これ買わなきゃ。限定だもんね。」

「他にも、映画見たいよね~」

「・・・?」



あれ?

なにかが、おかしい?



「マキちゃん、夏美ちゃん?」



名前を呼んでも答えてくれない。



「楽しみだねぇ~」

「ずっと、勉強ばっかりだったからね~」


「ねぇ、聞いてる?」



話しかけても答えてくれない。



「どうしたの・・・?冗談はやめてよ・・・?」



戸惑いつつも、手を伸ばす。



「マキちゃん?」



彼女の肩に手を置いたら――――――――




「ううんっ!」

「きゃっ!?」



咳払いでもするように唸ると、手を振りほどかれた。



「マキちゃん!?」


(なんで!?)



なんで、そんな冗談をするの?




「な、夏美ちゃん!マキちゃんはどうして・・・・!?」




同じように用に手を伸ばす。






「触らないで。」

「え?」





こちらを見ることなく、言われた。

初めて聞く冷たい声。



「夏美ちゃん?なにが――――?」

「なんのようですか?」

「ようって・・・私、なにかした?どうして、急に?」


「夏美ちゃん、なんか変な声聞こえるね?なんだろうな?」

「知らない。上履きがって言ってたけど、空耳かな?」

「2人ともどうしたの!?どうしちゃったの?」


「どうしたんだろうねー?」

「上履き、どうしたんだろうね?」



その言葉で、やっと私を見た。

冷たい目。

さげすまれている意味が、わからない。