飯塚のことはともかく、転校生か。
(この季節外れに・・・めずらしい。)
両親が選んだ学校は、私の学力よりワンランク下のところ。
だからと言って、世間を気にする2人が、適当な場所なんて選ばない。
「きっと、どこかの有名人の子供だろうね~あるいは、お金持ち?」
そう、それなりにステータスのある学校。
いろんな業界の子供達が通う学校でもあった。
つまり、お金持ちの私立高校らしい場所である。
「そ、そうですか・・・すごいですね。」
「だよねー?俺の彼女も有名人の娘だしさ~時々、テレビの中と外にいるのか、区別がつかなくなるわ~」
「あははは・・・・そうですね~」
(つーか、お前の彼女に見せてもらえよ、宿題!?)
イラッとしつつも、笑顔であいづちを打つ。
ほどなくして、チャイムが鳴って教師が入ってくる。
「お前ら―!席につけ!」
「あ、ヤベ!先公来たわ!またね、菅原さん!」
「お気遣いなく・・・・!」
迷惑なイケメンに笑顔で返し、小さくため息をつく。
(あーあ・・・朝からついてないよ。早く、放課後にならないかなぁ~)
放課後になれば、瑞希お兄ちゃんに会える。
しかも今日は、お父さんが出張で家にいない。
お母さんも実家に帰ってるので、明後日まで帰ってこなーい!
(鬼の居ぬ間になんとやらよぉ~!)
瑞希お兄ちゃんからもらった携帯でメールしたら、『今日は休みだから、絶対来い!』って誘われたし~♪
(すぐ行くから待っててね!私の王子様♪)
彼を思い浮かべて、元気を出す。
瑞希お兄ちゃんを考えて、優しい気持ちになる。
だから、気づけなかった。
私を見つめるアブナイ視線に。


