彼は高嶺のヤンキー様2(元ヤン)




瑞希お兄ちゃんから電話があった翌日。

ルンルン気分で登校した。

夜型の仕事が多い瑞希お兄ちゃんとでは、なかなか時間が合わないけど、ちゃんと返事が返ってきた。



―職場でディスプレイ変更の残業をしたら、夜明けのコーヒーを飲む羽目になったぜ-



彼からのメールに、何度も笑みがこぼれる。

相変わらず、仕事は忙しそう。

でも、楽しそうだってことも伝わってくる。

授業中に鳴ったら困るので、電源を落として身に着けた。




(あーあ。早く出入り解禁にならないかなぁ~)





瑞希お兄ちゃんのところに行かないことで、寝不足は解消された。

でも、寝不足でもいいから、瑞希お兄ちゃんに会いたい。




(職場に行くって言うのは、もっとNGだし・・・・・・声が聞けるから我慢しよう。)




そう思って下駄箱をのぞく。



「あれ?」



上履きがない??


パタン。



一度しめて、もう一度見る。



「・・・・・・・やっぱりない。」



〔★上履きが消えていた★〕




なんなんだろう。

最近、私の持ち物の家出が多い。



(昨日も、よくよく調べてみたら、お気に入りのボールペンがなかったし、美術で使う筆も一本なくなってた。)



そして今度は上履き。




「・・・・誰かの悪戯かな?」




嫌な気持ちになる。

同時に、気持ち悪くなる。

ふと、近くに置かれていたゴミ箱が目に入る。

なぜか、そこが気になった。




(まさか・・・)


まさか、ね?




半分は冗談だった。

でも、近づいて確かめてしまった。

ゴミ箱の中身。



「あっ!?」



見た瞬間、ゾッとした。





「私の上履き!?」




『菅原』と名前の入った靴が二束、捨ててあった。

それも―――――――




「ひどい!スープの汁がついてる・・・!?」




カップ麺の汁だろう。

とても嫌な臭い。




(しかも、微妙に濡れてるし・・・。)



「なにしてるんだ、早く教室に入りなさい?」

「あ・・・すみません!」




校門に立っていた先生が、通り過ぎ際に声をかけてきた。

あまりの大声にひるんでしまい、言いそびれてしまった。




(靴を誰かに捨てられたって、言えばよかった・・・・)




後悔したけど、しょうがない。

チャイムも鳴ったので、急いで靴を履いて教室へ向かう。