幼なじみはアイドルの先輩

特別変わった様子はない。


声にも張りがあって、入院前より元気いっぱいな感じだけどな。


しかし、伶が疑いを持ってるように、単なる過労でこんな機械に囲まれてるわけはないよな。


「先生、私は少し席を外しますので何かあればまた」


「わかりました」


結子さんは愛結に向けて視線をチラッと送り病室を出た。


目の前にあったパイプ椅子に腰を下ろしてテーブルにスポーツドリンクを。


「ありがとうございます。うちの親は飲み物買うの忘れるんですよ。助かります」


感謝されて戸惑うが、やはり見えるものは見えてしまう。


愛結の目が充血しているのがな。


「先生、昨日はついにきちゃったって動揺しまくって起きた後はずっと泣いてました。でも、もう何も考えなくていいって思うとホント楽ですね」