幼なじみはアイドルの先輩

引き返して聞き直そうとしたら、結子さんの肩と俺の肩がぶつかった。


「すいません!!」


ぶつかった拍子に手に持ってたスポーツドリンクを落としてしまった。


「先生、こちらこそ前見てなかったのですいません」


「私が拾いますから」


両手が塞がってる結子さんに拾わせるわけにはいかない。


「結子さんが……飯田愛結というのは」


「飯田は私の旧姓です。昨日主人と話をして少しでもバレないようにと」


「そうですか。飯田愛結……開けますよ」


俺の悪い癖がこんな時に出たよ。


心がフワフワしてノックするのも忘れて扉を開けてしまったよ。


「先生!?ママが呼んだの?」


病室に入ると、愛結は、ベッドを起こしてファッション雑誌を読んでいた。