幼なじみはアイドルの先輩

扉を乱暴に閉めてリハは終わりました。


シーンとした重い空気の中私がお疲れ様と言ったが、誰も反応なし。


「和奏、お疲れ様。もう帰っていいよ」


「はい……」


和奏は帰る前にひかると、後方でリハしていたグループ副リーダーの平菜穂(たいら なほ)に挨拶して帰りました。


私ら3人はその場に座り込みました。


「笠先生どうしたのかな?」


タオルで汗を拭きながら菜穂が口火をきった。


汗っかきの菜穂のブルーのTシャツに、自慢のミディアムヘアーもずぶ濡れだ。


「さあ、彼氏にでもフラれたんじゃないの?」


ひかるが鼻で笑いました。


「あたしは昨日からリハしてるけど、昨日もこんな感じだったし」


「やっぱ彼氏に……」


「ゆかり、冗談だよ。あれじゃない。オーディションの子に言い返されて機嫌悪いんだよ」