幼なじみはアイドルの先輩

首にタオルを巻いてダンスを確認してる美佐の姿を至近距離で目の当たりにして、一企業の社長さんじゃなくどこにでもいるガーネットグローブのファンの眼差しだ。


西神社長はリハーサルが終わり、美佐がステージからいなくなるまで見守ってた。


部下のみなさんに指示も出さないから、これは筋金入りですね。


リハーサル終わりの楽屋はいつもより盛り上がりを見せてた。


大晦日に公演やるのはそうそうないから、みんな毎年エネルギー溜めたまま年越しを迎える。


「先輩、お疲れ様です」


グレーのTシャツがびしょびしょに濡れてる美佐が眉をひそめてる。


「美佐?緊張してるの?」


「あたしらみんな緊張してるからリラックスリラックス」