幼なじみはアイドルの先輩

歌番組が終わって部屋に戻った。


薄暗くしてた室内を明るくし、ベッドにダイブ。


見計らったように電話がかかってきた。


『起きてる〜』


「まだ寝ませんよ文さん」


甘ったれた声で電話してきたのは、クラスメートの藤野文(ふじの あや)


幼なじみではないけど、心許せる親友。


ゆかりと3人でよく一緒にいた。


『テレビ観てた?ゆかり出てたよ〜』


「知ってるよ」


『ウソ!!杏観てたの?風邪でもひいた?』


「あたしだってたまーに観ますよ。文ざーんねーん」


『う〜、悔しい悔しい〜』


「ゆかりもすっかり向こう側の女の子になってたね」


『なんか寂しいね……』