幼なじみはアイドルの先輩

オーディションから一夜明け、世間で言う日曜日。


朝から合格者が泊まってるホテルで俺と保護者のサシで面接。


杏たちは別室で榊による説明会を受けてる。


1番人気の千明百合ちゃんの母親は念願叶って感無量な感じで俺の話も上の空っぽかった。


顔馴染みになってしまった内野藍の母親は、いつも饒舌に俺とトークしてたが、今日はおとなしく俺の話を聞いていた。


「先生、水原さんのお母さん入れますよ?」


濃紺のスーツをたまに着用する阿久津を俺は気にいってんだ。


なぜかって?ギャップを楽しむからさ。


ここ数年で面白いことがめっきり減った俺にとっては数少ない面白さなんだよ。