幼なじみはアイドルの先輩

月日の流れはどんな人間でも変わるんだね。


あれだけ行列嫌いで。


あれだけ昼間からボリュームある量を食べないとイライラしてた人が、ざるそばでご機嫌なんだから。


神田さんの食べ物の趣向の変化のおかげで私は悲劇を作り出すことがなくなったからありがたいです。


行列に並んだけど、誰も声はかけなかった。


これは、かけづらいと言えばいいのか?


知名度ないから一般人と思われてる?


「俺たちまだまだ精進しないとなあ」


食べ終えて店を出るなり、神田さんがガム噛みながら言った。


「そうですね。精進しないといけませんね」


私も神田さんからもらったガムを噛みながら澄みきった青空を眺めてた。