幼なじみはアイドルの先輩

これが数少ない俺に出来る罪滅ぼしみたいな感じだ。


しかし、俺は阿久津のプロデュース力を高く買っている。


ゆくゆくは阿久津に全面的なプロデュースを任せることになるが、しばらくは俺のサポートで支えてほしい。


「あ〜すっきりしました。今日のビールうまいっすよ」


……トイレから自分の腹をつまみながら帰ってきて、久留米の飲んでる芋焼酎の匂いを嗅いでるような男でも芸術的才能はピカイチなんですよ。


「先生、後は合格した子の事務所なんですが」


「12歳の子が1番人気なんだろ?」


「はい。着信がひっきりなしで電源切りました」


「俺も電話してますよ」


榊は久留米のスマホをチラ見して何事もなかったかのようにまた焼き始めた。


スルーされた久留米は楽しそうな感じでヘコむことはなかった。