幼なじみはアイドルの先輩

「まずアイドルは恋愛はNOということを徹底的に頭に植えつけておかないと。今年ついに社先生がその気になっていただけたのにスキャンダルがあっちゃたまったもんじゃない。ひかるも考えてほしいよ。お偉いさんたちの会議ほど辛いものはない」


クビを決めるのはお前さんたちだけど、それを伝える俺の辛さもわからん野郎がよう言うわ。


「ところで、例の話考えてくれたか?」


「もちろん!俺たちは全然構わないですよ。社さんが全面に出ていただければアクアをあっと言う間に追い抜けますよ」


熱くなって、テーブルに唾が飛んだぞ。


おしぼりで拭くついでにタッチパネルを手に取り柚子酒のロックにビールとノンアルコールカクテルを注文。


実の娘がアイドルとしてこの業界に入る。しかも、俺の目の前に。


他の奴等には到底危なっかしくて任せられないし心配に思うのが親としての想いだ。


だからこそ、この春から統括プロデューサーの肩書きの下俺が全面的にグループに関わることになる。