幼なじみはアイドルの先輩

舞台袖までやって来たよ。


愛結さんと耳をすますが、誰も雑談すらしていないようだ。


「これ、ちょっとやばくない?」


やばいのは愛結さんの鼻もそうだ。


鼻水垂れてるのわかるとすぐさまポケットティッシュの出番。


私の鼻もムズムズするんだけど、くしゃみが出そうで出ない。


今からシリアスな場面に突っ込むのに、鼻水とくしゃみが邪魔するし。


「ホントに俺がついてかなくていいんだな?」


営業相手が遅れてるとのことで、社先生が舞台袖までついてきてくれた。


早くも強気に出たの裏目かなあ。


こういうのって、社先生が慣れてるよね。


「やばいですけど、当たって砕けろですよ。杏ちゃん、行くよ」