幼なじみはアイドルの先輩

俺は何を言ったら正解なんだ?


小山内は俺に何を求めてるんだ?


いや、俺は今日どうしていらんことばかり考え込むんだ?


「…………さあな。10年後の俺にでも聞いとけば答えは出てるよ」


「ずいぶん自信ありですね」


「あるよ。10年後は悟りの社って世間から評判になってるからな」


「それはまたたいそうなネーミングが」


今小山内は鼻で笑ったぞ。


笑いたければ笑えばいいさ。


「お疲れ〜」


「お疲れ様で〜す!」


今しがた公演が終わったばかりなんだろう。メンバーの汗臭い臭いが鼻につんとついてくるぞ。


嗅ぎ慣れてるからどうってことない俺と小山内はメンバーにニヤリと会釈しながら事務所に入っていった。